2013年11月25日
社会政策学会員のみなさま
代表幹事 田中洋子
10月に経済理論学会から社会政策学会に次のような連絡がありました.現在、日本学術会議において、「経済学」の定義(教育参照基準)が定められようとしているそうです.そこでは、経済学がミクロ経済学・マクロ経済学・統計学とその応用だけに限られ、経済の歴史や制度、思想などの研究は、排除ないし周辺化される位置付けになっているとのことでした。この基準が認められると、今後、経済の歴史や制度・思想などについての教育を行うことが困難になっていくだろうと予想されるということです。
これについて、日本学術会議経済学委員会に対し、経済学分野の教育「参照基準」の是正を求める署名運動を起こすことになりました。社会政策学会にも呼びかけ人になってほしいという要請に対して、幹事会にて議論した結果、学会として代表幹事が呼びかけ人になるということになりました。
現在、この署名活動は11月末までを目標に展開されています。このことを社会政策学会の会員にも広く知らせ、活動の趣旨に賛同していただける会員のみなさまに、ネット上からの署名をお願いしたいと思い、メーリングリストにてお知らせしています。
署名運動の趣旨、またネットから署名できるサイトは、以下の所にあります.
https://pro.form-mailer.jp/fms/8fe8371a49520
ご検討、ご協力をよろしくお願いいたします。
また、このサイトを周りの方にお知らせいただいて結構です。より多くの方々の署名が得られればと思います。
なお、日本学術会議はこの問題についてシンポジウムを12月4日に開催するそうです。この直後に、現在の「経済学」の基準案が最終案とされる見込みが強いとのことです。
ですので、このシンポジウムの前に、できるだけ多くの署名が必要であり、また多くの方にこのシンポジウムに出席・発言していただきたい、との連絡を、経済理論学会より受けています。12月4日(水)の午後2時から5時まで、会場は東京港区六本木の日本学術会議講堂(千代田線乃木坂5番出口1分)だそうです。
こちらについても、ご検討、ご協力、よろしくお願いいたします。
2013年11月24日
2013年11月18日
代表幹事 田中洋子
秋季大会総会などでもお知らせしてまいりましたように、幹事会より、学会活動に関わる重要なお知らせがあります。いずれも幹事会で長く議論や作業を積み重ね、ようやく実現段階にはいった案件です。
会員のみなさまの学会活動に直接関わる変更となります。以下の三つの点につき、よくご確認の上、ご理解、ご利用、ご協力をお願い致します。
(1) 大会フルペーパーの電子化
来年度の春季大会(2014年5月31日・6月1日中央大学)より、大会でのフルペーパーの取り扱いが変わります。報告者は、フルペーパーの文書ファイルを大会企画委員会に送付し、参加者は、事前に送られたパスワードをいれて、学会ホームページに掲載されたフルペーパーを各自ダウンロードする方法となります。
これまでの大会報告では、フルペーパーを事前に大会開催校に所定部数送付し、当日会場ではフルペーパーおよび報告レジュメの配布が行われてきました。しかし、この方法では、一方で開催校のフルペーパー管理(大量保管・移動、締切後や当日の対応等)が大きな負担となり、他方で報告者側のフルペーパー準備にも大量印刷・送付の負担がかかるなど、これまでも問題が認識されてきました。
そのため、以前の幹事会でもフルペーパーをワーキング・ペーパーとしてホームページ上に載せる案がだされ、実行されたこともあります。しかし、インターネット上で公開されると「既発表論文」扱いになってその後投稿ができなくなるという若手研究者からの苦情が出たため、継続できませんでした。
今回、こうした状況に対応するため、近年多くの国内・海外の学会が採用している、限定的な形でのホームページ公開を行うこととしました。つまり、学会員に事前にパスワードを送付してお知らせし、そのパスワードを学会ホームページの大会フルペーパーのサイトに入力することで、大会開催10日前から開催後二週間までの限定された期間に、ダウンロードしたり、印刷したりできる、という形です。これにより、インターネット上での一般公開という形を避けることができます。
春季大会企画委員会からのお知らせや幹事会議事録とも重複しますが、重要な変更ですので、確認のため、具体的なスケジュールをお知らせ致します。
〔春季大会報告を希望する会員〕
① 12月25日までに応募書類を企画委員会にファイルで送付(日本語・英語)
② 採択された場合、5月7日までにフルペーパーを企画委員会にファイルで送付(→大会10日前(5月21日)より学会員に公開)
③ 5月31日・ 6月1日の大会当日は、所定部数のレジュメを各自で持参・配布(開催校では印刷対応不可)
〔会員全体〕
事前に配布(大会プログラム同封、学会メーリングリスト等)されたパスワードで、学会ホームページの中のフルペーパーのサイトにはいり、大会10日前から大会後2週間後までの間に、各自、適宜ダウンロード、印刷する。当日の会場では、レジュメのみ配布される。
〔非会員の大会参加者〕
大会時にパスワードを掲示し、大会開催中から大会後2週間までの間に各自ダウンロード。
フルペーパーの具体的対応につきましては、報告予定者と春季大会企画委員会との間での調整となります。
よろしくお願いいたします。
(問い合わせ先:春季大会企画委員会)
(2) これまでの学会誌掲載論文の電子化
これまで、社会政策学会の学会誌は啓文社、御茶ノ水書房、法律文化社、ミネルヴァ書房といった出版社から発行されてきました。しかし過去の学会誌に掲載された論文については、インターネットで検索してダウンロードする、ということができない状態が続いてきました。
そのため、幹事会では従来の学会誌掲載論文の電子化とその公開についての作業を進めてきました。論文の著者、また御茶ノ水書房以外の出版社からの同意を得て、このたび国立情報学研究所NII(元学術情報センターNACSIS)との間での申し合わせが無事完了しました。
これにより、情報学研究所側の作業が終了次第、過去の学会誌の論文データが、学術情報データベースCiNii(さいにぃ)で検索できるようになります。
情報学研究所側での作業にまだ時間がかかる(1年程度)とのことですが、その後は過去の学会誌の論文がインターネット上で検索・ダウンロードできるようになります(1件300円)ので、是非ご利用、ご活用ください。
(3) ヨーロッパ社会政策分析ネットワーク(エスパネットESPAnet )、アメリカ労働雇用関係学会(レラLERA )との学術交流開始
ご存じのように、2011年より、韓国社会政策学会(KASP)との学術交流を開始しています。交流協定にもとづき、春には、韓国社会政策学会の大会に日本からの会員の応募を募って2名を派遣し、秋には、日本の社会政策学会大会に韓国から2名を招聘し、分科会を開催しています。
2013年6月の韓国の大会において、韓国の李会長と日本の田中代表幹事との間で協定が更新されました。来年度の秋季大会からは、各専門部会の企画を通じて、韓国社会政策学会とのセッションを進めていくことになっています。
これに加えて、二つの新しい国際的な学術交流がスタートしました。一つはヨーロッパ社会政策分析ネットワーク(European Social Policy Analysis Network, ESPAnet、以下エスパネット)です。
これは、ヨーロッパの社会政策関係の研究者を広く結んだ学術ネットワークです(http://www.espanet.org/)。2013年春季大会の共通論題で、エスパネットよりスペイン・バルセロナ大学のM・レオン先生に報告していただき、交流の一歩を踏み出しました。
その後2013年9月のエスパネット大会(ポーランド)に、菅沼国際交流委員長と田中代表幹事が参加し、エスパネットの代表者と話し合いを持ちました。エスパネットは日本との交流にとても前向きで協力的であり、今後、双方のネットワーク関係を広げていくことで合意しました。
具体的には、まず双方のホームページにリンクをはり、大会情報を簡単に共有できるようにします。そして、2014年9月にノルウェーのオスロで開かれるエスパネットの大会に、日本から多くの会員が参加し、報告してほしいとの要請を受けています。
また、日本の社会政策学会の大会でもエスパネットからの応募を受け付け、国際交流委員会を介して英語での分科会を設けることとしました。
もう一つは、アメリカ合衆国の労働雇用関係学会(Labor and Employment Relations Association, LERA、以下レラ)との交流です(http://www.leraweb.org/)。
2013年1月のレラの大会(サンディエゴ)に、関口国際交流委員と田中代表幹事が参加し、田中代表幹事がレラの代表者と話し合いを持ちました。
レラも日本の社会政策学会との交流にとても積極的、協力的で、まずは次の春季大会での共通論題ないし特別講演に、レラから報告者を派遣することが決まりました。今後も、レラの大会にぜひ多くの日本からの会員が参加し、報告してほしいとのことです。
今後、アメリカのレラについても、会員の大会参加・報告を通して、相互の交流を進めていくことになりました。
このように、社会政策学会では、韓国、ヨーロッパ、アメリカという三つのルートでの国際的学術交流を進めています。中国についても今後、すでに学会員が関わってきたさまざまな交流の、ネットワーク化を進めていく予定です。
これらの交流が活発化して、国際的な社会政策研究のネットワークへと実質的に発展していくためには、各会員が積極的にこれらの各国での学会大会に参加し、報告していくことが必要不可欠です。
学会としても海外での大会報告への参加費の支援などを行っていく予定です。
(問い合わせ先:国際交流委員会)
会員のみなさまには、今後ますます、こうした国際的な学会交流にふるってご参加いただけますよう、よろしくお願いいたします。
2013年11月15日
NL 77が完成しました。まもなく会員の皆さんのお手元に届きます。PDFファイルをアップロードいたしますので、ご活用ください。
ニューズレター No. 77