社会政策学会 本部より



学会誌のジャーナル化に向けて

2006年12月
代表幹事 武川 正吾

 今日の学術研究においては,論文,書評,研究動向等々の学術記事を中心としたジャーナル(学術定期刊行物)が重要な役割を果たしています.本学会でも,ここ10年来,ジャーナル化に向けた学会誌改革を行ってきました(参考1を参照)
 2006-2008年期幹事会でも,これまでの学会誌改革の成果を踏まえ,これをさらに前進させるため,ジャーナル化に向けた多面的な角度からの検討を行ってきました(これまでの幹事会での議論の経過については,第1回〜第6回幹事会議事録及び参考2を参照して下さい).その結果,現在の学会財政は決して余裕のあるものではないが,現行の会費収入の枠内でもジャーナル化を実現することが十分可能であることが明らかになりました.また,現在の学会誌にもメリット(例えば,社会的情報発信の機能)があり,この点についてはジャーナル化以後も,学会活動全体のなかで継承していくことを確認しました.さらに,専門分野に即した役割分担や査読手続きの改善など編集体制についても改善を図らなければならないことが合意されました.
 このほかにも種々の論点が出され,第2回〜第4回の幹事会における長時間の議論のなかで検討を重ねてきましたが,これらを踏まえて,第4回幹事会(2006年10月20日)では,ジャーナル化の方針を再確認するとともに,以下の骨格をまとめました.

・ 名称 『社会政策学』(仮称)
・ 特徴 学会員の投稿論文を中心とし,社会政策学会における研究の最前線を発信し,幅広い研究活動の活性化を図る.
・ 編集体制 5〜7名程度の委員からなる編集委員会が編集を行うとともに,別途,50〜70名の規模の査読専門委員を置く.
・ 刊行体制 季刊を目ざすが,当面は年1巻3号とする.
 また,この骨格を具体化するため,幹事会の下に作業委員会を置くことが決まり,小笠原幹事(編集委員長),居神幹事,所幹事,湯澤幹事,清山玲会員(編集委員)に同委員を委嘱いたしました.今後は,以下のスケジュールでジャーナル化を進めていきます.
・ 2006年10月〜2007年1月 作業委員会が規定類の改正案を作成.
・ 2007年2月1日 作業委員会が幹事会に規定類の改正案を報告.幹事会がパブリックコメントに付すジャーナル化案を決定.
・ 2007年2月〜3月 パブリックコメントの募集と集約.
・ 2007年4月 幹事会 パブリックコメントを生かした最終案を決定し,刊行の準備にとりかかる.
・ 2007年5月 総会 規定類の改正案を提案
・ 2008年の春季大会の前に新ジャーナルを刊行

 以上のスケジュールに記したように,会員から新ジャーナル案に対するパブリックコメント(具体的な方法については未定)を2007年2月〜3月に募集いたします.ジャーナル化が会員にとって関心の高い重要事項だと思われるからです.会員のみなさまには,パブリックコメントへのご協力をお願いいたします.

参考1 これまでの学会誌改革の経緯
1908-1922 『社会政策論叢』
1953-1998 『社会政策学会年報』(『年報』)
1979-1998 『社会政策叢書』(『叢書』)
1996. 幹事会で「年報を定期刊行機関誌に変更して年2回程度発行」との問題提起.
1998 『年報』に投稿論文の掲載が始まる.
1999 『年報』と『叢書』を統合して『社会政策学会誌』(『学会誌』)とする.
2002 『学会誌』の出版社を一本化.
2003 投稿規定とレフェリー規定の整備.
2006 幹事会で学会誌のジャーナル化の方針が決定.

参考2 2006-2008年期幹事会での検討経過
2006.6.3 第112回大会の懇親会における代表幹事挨拶の場で,学会誌のジャーナル化の方針を表明
2006.6.4. 第1回幹事会で「学会誌ジャーナル化の基本方針と進め方については,代表幹事と編集委員長が協議して原案を作成し,次回以降の幹事会で検討すること」を決定.
2006.8.5. 第2回幹事会で,上記原案が提案され,これにもとづいて議論.
2006.8.29. 代表幹事から編集委員長に対して,「これまでの学会誌改革のなかで浮かび上がってきた現行学会誌の問題点とその解決のほうさくについての編集委員会としての意見のとりまとめ」をお願い.
2006.9.13. 上記お願いに対して,編集委員長から「『現行学会誌の問題点とその解決の方策』について 中間メモ」の提出がある.
2006.9.17. 第3回幹事会で,上記メモ,代表幹事による「学会誌のジャーナル化に関する論点整理メモ」等に基づいて議論.
2006.10.20. 第4回幹事会で,編集委員会正副委員長による「『現行学会誌の問題点とその解決の方策』に関する意見」,代表幹事・編集委員長による「社会政策学会のジャーナル化への意向に関する第2次原案」をもとに議論の結果,ジャーナル化の基本方針を決定.
2006.10.22. 合同編集委員会で幹事会の上記方針を報告・了承.
2006.10.23. 幹事会で作業委員会の設置と委員の委嘱.



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