『社会政策学会年報』第25集 学会記事
一 大会関係
◇第六〇回大会(明治大学担当、一九八〇年五月三一日、六月一日開催)
〈共通論題〉日本における労使関係の現段階
I 鉄鋼大手製鉄所の職場秩序―実態調査からみたその特徴―
報告者 岩手大学 藤沢建二
コメント 武蔵大学 仁田道夫
II 自動車工業における労資関係
報告者 東京大学 山本 潔
コメント 法政大学 高木督夫
III 第一組合の団結と活動―中小企業分野を中心に―
報告者 法政大学 嶺 学
コメント 千葉大学 河西宏祐
IV 職場における国労・動労の労働条件規制
報告者 東京大学 遠藤公嗣
コメント 山形大学 高木郁郎
〈共通論題総括討論〉
座長 大阪市立大 吉村 励
〔第一分科会〕〈自由論題〉
I 中小企業の倒産反対争議―電炉メーカーN製鋼所の事例研究― 東京大学 井上雅雄
II 明治期の紡績業における寄宿舎制度と「労働力の摩滅」 同志社大学 能塚正義
III 雇用不安と階層的労働市場の再編成―造船業企業城下町因島にみる実態― 慶応大 三井逸友 慶応大学 京谷栄二
〔第二分科会〕〈労働福祉〉「福祉社会」体制下の労働福祉
I 企業福祉の戦後展開とその構造 明治大学 高橋 洸
II 労働者協同事業の発展と活動の問題 立命館大学 藤原壮介
III 八〇年代の福祉政策と軍事=福祉国家思想 大阪外国語大学 二宮厚美
座長 同志社大学 西村豁通
〔第三分科会〕〈婦人労働〉保護と平等をめぐって
I 女子労働市場における需給構造の変化 東京大学 氏原正治郎
II 保護と平等の課題―日本の場合― 明治大学 田辺照子
座長 大阪市立大学 竹中恵美子
第一日目は、共通論題の前半二報告と自由論題を含む三分科会の報告があった。第二日目は、共通論題の後半二報告と総括討論とが行われた。両日とも、早朝から多くの会員が出席し、活発な意見交換がなされた。なお第一日目の午後開かれた総会で、昭和五六年度より会費を三〇〇〇円に値上げすることが承認された。また選挙の結果、金井信一郎氏(明治学院大学)が代表幹事に就任することとなった。
◇第六一回大会(関西部会大阪経済大学担当、一九八〇年一一月一五日、一六日開催)
〈共通論題〉現代の福祉政策と労働問題
I 現代の福祉政策と労働福祉 中央学院大学 桐木逸朗
II 現代における福祉財政の課題 成城大学 深谷昌弘
III 現代福祉政策と「福祉産業」 明治大学 笠原長寿
IV 現代の財産形成政策と企業福祉・労働者福祉 同志社大学 三塚武男
V 現代の身障者福祉と雇用問題 同志社大学 西村豁通 同志社大学 能塚正義
VI 現代の老後保障と年金問題 早稲田大学 安藤哲吉
VII 現代の社会福祉と労働者階級 日本福祉大学 高島 進
VIII 現代の福祉政策と労働問題 福島大学 相沢与一
〈共通論題総括討論〉
座長 大阪市立大学 小川喜一
主討論者 大阪市立大学 儀我壮一郎 立命館大学 三好正己 大阪外国語大学 二宮厚美 一橋大学 藤田伍一
共通論題として福祉政策をめぐる労働問題がとりあげられ、二日間にわたり熱のこもった討論が行われた。春の大会同様、開催担当校の御助力により盛会裡に今大会も終了した。
(明治学院大学・田村剛記)
二 部会関係
◇ 北海道部会
日時 一九八〇年五月九日
場所 北海道総合経済研究所会議室
報告者 北海道立総合経済研究所 守友裕一氏
テ―マ 労働市場の展開と地域農業
出席者 一六名
(北海道大学 荒又重雄記)
◇関東部会
第三八回部会
日時 一九八〇年一一月二九日(土)午後一時
場所 慶応義塾大学研究室第五応接室
〈報告〉
一 新救貧法から現代福祉国家まで 厚生年金基金連合会理事長 服部英男
二 イギリス女性工場監督官制度 慶応義塾大学大学院研究生 大森真紀
(慶応義塾大学・黒川俊雄記)
◇関西部会
第四三回関西部会
日時 一九八一年三月二八日(土)午後一時
場所 同志社大学光塩館地下会議室
〈報告〉
共通論題「労使関係論の現状と問題点」
報告者 京都大学 菊池光造 関西大学 小林英夫 同志社大学 今井俊一
総括討論
座長 大阪市立大学 吉村 励
(同志社大学・西村豁通記)
◇中国・四国部会
日時 一九八〇年七月三〇日(水)、三一日(木)
場所 島根大学附属図書館、視聴覚教室
〈報告〉
一 内航海運における船員問題 広島商船高専 土居靖範
二 農村工業導入と地域労働市場の再編――島根県石見町の事例―― 島根大学 木村隆之
三 現代の貧困化と老人医療費問題 岡山大学 向井喜典
四 「福祉国家」起源論争の帰趨 香川大学 木村正身
第一日は、前半二報告終了後、部会総会および懇親会を開催、第二日は、後半二報告を実施した。出席者一二名。
(香川大学・木村正身記)
◇九州部会
第三〇回研究会
日時 一九八〇年五月一〇日(土)
場所 態本商科大学経済学部
〈報告〉
一 技術者論再説―― Finiston 報告にふれて―― 鹿児島大学 仲村政文
二 都市再開発事業と旧権利者の動向――渡辺通一丁目再開発事業を中心に―― 佐賀大学 蔦川正義
第三一回研究会
日時 一九八〇年九月二〇日(土)
場所 鹿児島大学法文学部
〈報告〉
一 現代工場労働をめぐる諸問題 鹿児島大学 藤島洋一
二 生活・福祉闘争の課題 熊本商科大学 井上吉男
第三二回例会
日時 一九八一年二月二一日(土)
場所 熊本商科大学経済学部
〈報告〉
一 一九世紀中葉ドイツ職員層の意識と行動 佐賀大学 今久保幸生
二 婦人労働の諸問題 北九州大学 古賀良一
(佐賀大学 中原弘二記)
三 分科会関係
◇生活問題・社会保障合分科会
一 イギリスにおける貧困史(I) 日本女子大学 藤本 武(一九八〇年四月二六日、上智大学)
二 一九七四年以降における労働力流動の特徴 東京大学 氏原正治郎(一九八〇年六月二一日、上智大学)
三 最近の老人就労調査について 東京都立大学 小林良二(一九八〇年九月二〇日、上智大学)
四 定年延長の基準内賃金総額と労働生産性に及ぼす影響 上智大学 桜林 誠(一九八〇年一〇月一八日、上智大学)
五 イギリスにおける貧困史(II) 日本女子大学 藤本 武(一九八〇年一二月二〇日、上智大学)
六 最近のヨ―ロッパ事情 早稲田大学 佐口 卓(一九八一年一月二四日、上智大学)
七 「大都市における人間構造」をめぐって 上智大学 篭山 京(一九八一年二月二一日、上智大学)
(上智大学・松崎粂太郎記)
◇労働組合分科会
一、 日時 一九八〇年五月一〇日(土)午後一時半
場所 専修大学神田校舎会議室8A
報告者 法政大学 森 廣正
テ―マ ヨ―ロッパにおける外国人労働者と労働組合
二、日時 一九八〇年一二月六日(土)午後一時半
場所 専修大学神田校舎会議室12A
報告者 国元鉄労組調査資料室嘱託 山本補将
テ―マ 国鉄再建と国鉄労組の政策・運動
(専修大学・大友福夫記)
◇福祉問題分科会
第一〇回福祉問題分科会
日時 一九八一年三月二八日(土)午前九時半
場所 同志社大学光塩館地下会議室
〈報告〉
一 社会福祉と労働者自主福祉――国際障害者年によせて―― 大阪社会事業短期大学 大谷 強
二 企業福祉と労働者自主福祉――企業年金問題を中心に―― 大阪産業大学 浪江 巌
(同志社大学・西村豁通記)
〔2007年5月7日掲載〕
《社会政策学会年報》第25集『日本的労使関係の現段階』(御茶の水書房、1981年5月刊)による。