社会政策学会史料集



『社会政策学会年報』第19集 学会記事

 一 大会関係

◇第四九回研究大会(九州部会鹿児島大学担当、一九七四年一〇月二六・二七日開催)

〈自由論題〉
フランス人民戦線の社会政策経験――労働争議強制仲裁制度の軌跡―― 岡山大学 向井喜典

〈共通論題〉
産業再配置と労働者・農民問題
I 工業再配置と農工関連構造の再編成 同志社大学 志村賢男
II 産炭地域経済構造の破壊と再編成――筑豊地域を中心として 八幡大学 大里仁士 九州大学 蔦川正義
III 産業再配置と僻村の現況 福島大学 田添京二
IV 出稼ぎの実態と産業再配置について 法政大学 栢野晴夫
V 農村工業化に伴う低賃金労働力の創出――いわゆる農村・納屋工場の実態 労働科学研究所 井上和衛
VI 鉱山「合理化」と労働組合 労働科学研究所 下山房雄
VII 産業再配置と労働運動の課題――九州の諸問題を中心に 北九州短期大学 原 嘉彦
総括討論
 座長 労働科学研究所 藤本 武 同志社大学 西村豁通
 大会開催直前(一〇月一一日)九州部会代表正田誠一氏が逝去され、一部プログラムに変更はあったが、現段階の、緊要な問題に多面的な切り込みがなされ、九州ならではの印象的なみのり多い大会であった。
 二六日夜、城山観光ホテルで懇談会、二八日、注目の日本石油喜入原油基地から指宿スカイラインを経て山川かつお節工場などを見学し、鹿児島大学の学会員から有益な解説・資料が提供された。

 二 部会関係

◇北海道部会
 次のような研究会が開催された。
 一九七四年11月13日、於札幌、「第49回研究大会の模様について」(寺村武会員)、「帝政ロシアの工場監督官年報について」(荒又重雄会員)、出席者 14名。
 一九七五年1月8日、於札幌、「港湾流通と労働問題」(徳田欣次会員)、出席者 13名。
 一九七五年3月10日(予定)、於札幌、「社会化医療のソヴェト的展開と〃半健康〃ヘの対応」(方波見雅夫会員)。
  (北大・荒又記)

◇関東部会
 一九七四年度から部会担当校および幹事(一名) は、東京大学氏原正治郎から明治大学栗田健に代った。
今年春の部会開催予定は左記の通り。
 論題 国家の賃金政策と労使関係
 報告者 福田芳人(慶応義塾大学) 茂木一之(明治大学)
 座長 氏原正治郎(東京大学)
 日時 五月一〇日(土)午後一時
 場所 明治大学大学院会議室
  (明大・栗田記)

◇中国・四国部会
 一九七四年七月二六日(金)午後一時から翌二七日(土)の正午まで、香川県市町村職員共済会館において、左記要領で、第七回中・四国部会を開催した。出席者は非会員を含めて九名(現在会員一五名)であった。
〈報告〉
I 「物価騰貴下の最低賃金改訂」 高知大学 松井栄一
II 「婦人問題について」 合田千里
III 「労働条件と福祉条件」 香川大学 木村正身
VI 「フランス人民戦線と争議調整機構」 岡山大学 向井喜典
 なお、二日目に「地域労働問題研究の課題」について、若干の討議を行なったがその本格的討論は次回にまわされた。
  (愛媛大・星島記)

◇九州部会
 一九七四年度の部会は次のとおり開催した。
第一二回研究会  七四年六月二二日 北九州短大原嘉彦「労働者状態の変化を労働組合の今日的課題」(於九大)
第一三回研究会  七四年一〇月二七日社会政策学会第49回研究大会の第二日目の夜鹿児島大において開催、来島浩会員の報告が行なわれる予定であったが、はからずもその直前一〇月一一日に至り、昭和四六年九州部会創設以来部会の発展と後進の指導に並み並みならぬ努力を傾倒されてきた学会幹事・九州部会代表正田誠一先生の急逝という事態に遭遇したので、とりあえず報告は次回に回し、善後策を協議、ご遺志を継いで部会の発展を期することを申し合わせた。
第一四回研究会  七四年一一月二九日 九大来島浩「技術進歩と労働の性格の変化」、北九州大高橋武「労働問題の新しい動向――国際的視点より――」(於北九州大)
第一五回研究会  七五年二月八日 佐賀大中原弘二「現代の社会保障の動向」、特別報告九州産業大伊藤迪「労働主義と社会主義」(於西南学院大)
 九州部会関係現在会員四〇名のうち、出席者は各回ともおおむね一五、六名である。次回は六月二八日九大において開催の予定。
   (西南学院大・木村記)

 三 分科会関係

◇生活問題・社会保障合同分科会
 月一回の例会とし、主として上智大学を会場にして開催してきている。但し、大会等開催月ならびに八月は休会としている。年報第一八集掲載以降の四八年度の状況を紹介しておく。
1 イタリアの年金制度について(七四年六月二二日・上智大学) 社会保障研究所 保坂哲哉
2 スイスにおける年金制度(七四年七月一三日・早稲田大学) 上智大学 春見静子
3  最近における婦人労働の実態と問題点(七四年九月二八日・上智大学) 労働科学研究所 藤本 武
4 オランダにおける老人福祉(七四年一一月一六日・上智大学) 上智大学 籠山 京
5 アメリカの医療事情(七四年一二月一四日・上智大学)国立公衆衛生院 前田信雄
6 最近の中国人の生活(七五年一月二五日・上智大学)盛岡短大 幸島礼吉
7 社会保障の国際的類型(七五年二月一五日・光生館) 社会保障研究所 平石長久
8 独り暮し老人の実態(七五年三月一五日・上智大学)上智大学 松崎久米太郎
  (早大・佐口記)

◇ 労働組合分科会
1 日時 一九七四年一〇月一二日(土)
 場所 専修大学 神田校舎
 報告者 島崎晴哉(中央大学)
 テーマ 「西ドイツ組合運動における企業内活動」
2 日時 一九七五年五月一七日(土)
 場所 専修大学神田校舎
 報告者 西岡幸泰(専修大学)
 テーマ「日雇労働者の状態と運動――山谷日雇労働者実態調査」
  (専修大・加藤記)

〔2006年1月3日掲載〕


《社会政策学会年報》第19集『資本輸出と労働問題』(御茶の水書房、1975年6月刊)による。






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