『社会政策学会年報』第6集 学会記事
三十二年度
第十五回学会大会 於都立大学
第一日 四月二十九日
歓迎の辞 松好貞夫
開会の辞 山村 喬
自由論題報告
(1) 労働政策と法解釈との接点における若干の問題 都立大学 沼田稲次郎
(2) イギリス婦人労働史の一齣 日本大学 小林 巧
(3) ジープレヒト「西ドイツ戦後の労働市場および労働市場政策」の紹介 小樽商大 吉武清彦
(4) 停年制の動向と問題点 大阪労働協会 黒住 章
(5) わが国労働組合組織の考察 労働省 西岡孝男
(6) 西陣賃機労働者の実態 同志社大学 中条 毅
総会
懇親会
第二日 四月三十日
共通論題「生産性向上と社会政策」
立教大学 増田米治
東京大学 大河内一男
大阪市立大学 近藤文二
大阪市立大学 金子卓治
共通論題討論
主討論者
一橋大学 太陽寺順一
慶応大学 中鉢正美
国民経済研究協会 松尾 均
総括討論 座長 早稲田大学 平田冨太郎
大会は両日とも二〇〇名をこえる盛会であり、傍聴者も多数あった。まず共通論題は、報告者の論点がかなり多岐にわたったため、その討論は集中的でないうらみもあったが、しかし時間一杯に活発な論議が展開された。自由論題の大部分は、実態調査、文献資料調査の成果の発表であり、傾聴すべき内容のものが多かった。報告、討論が終った後でひらかれた懇親会は、都立大学の誠意のこもった御配慮が良くゆきとどき、質素ながらもきわめてたのしいものであった。
第十六回学会記事 於大阪市立大学
第一日 十一月九日
挨拶 大阪市立大学学長
自由論題報告
(1) 職場組織の構造と機能 信州大学 高梨 昌
(2) 一労働組合の成立 中央大学 小林端五
(3) アメリカにおける産業労働組合成立の一つの型 東京大学 神代和欣
(4) いわゆる相対的労賃について 東北大学 西岡考泰
(5) ケインズ派社会主義と窮乏化の理論 岡山大学 向井喜典
(6) 米騒動に関する若干の問題 法政大学 長谷川 博
総会
懇親会
共通論題「退職金・年金」
大阪市大 近藤文二
大阪大学 平田隆夫
明治学院大 金井信一郎
大阪市大 小川喜一
大阪府立大 今井長二郎
共通論題の「退職金・年金」は、きわめて地味なテーマであったが、非常な関心をよび、多数の参合者を集めた。また討論も活発で時間の不足をかこつ程であった。自由論題報告は偶然にも午前中のものが、日本、イギリス、アメリカのそれぞれの労働組合の問題を扱ったものであり、非常に興味深かった。懇親会は、主催者側の好意でビールがとくに豊富であり、歌がとび出すほどのにぎやかな会になった。
〔2006年1月2日掲載〕
《社会政策学会年報》第6集『生産性向上と社会政策』(有斐閣、1958年10月刊)による。