社会政策学会史料集



『社会政策学会年報』第22集 学会記事

 

一 大会関係

◇第五四回大会(名古屋大学担当、七七年五月二一・二二日開催)

〈自由論題〉
I 鉄鋼業の「自主管理活動」について――現代労務管理論の試み 東京大学 仁田道夫
II 欧米の労使関係における Job Property Rights とJob Controlの伝統について 亜細亜大学 藤田至孝
III 労働市場における情報経路 東京工業大学 井上詔三

〈共通論題〉戦後体制と労資関係
I 現代資本主義と雇用保障――日本の現状を素材として 法政大学 小林謙一
II 賃金と生産性――アメリカ合衆国における労働市場と労使関係の一視角 慶応大学 島田晴雄
III 戦後の生産性本部の設置と生産性運動の展開 慶応大学 黒川俊雄
IV 戦後社会保障の転回点 名古屋学院大学 坂口正之
V 第二次世界大戦と労資関係――イギリスの事例を中心として 東京大学 戸塚秀夫
総括討論
座長 東京大学 隅谷三喜男
問題提起 京都大学 菊池光造 東京大学 兵藤 
第一日目は自由論題の三報告から開始されたが、いずれも共通論題に近い領域を扱っていたためか午前中から多くの参加者がみられた。午後から翌日にかけては共通論題報告とそれをめぐる討論がおこなわれ種々の問題提起や意見交換で大きな盛り上りをみせた。また第一日目の総会終了後、会場を移して懇親会がもたれ、なごやかなひとときをすごした。




◇第五五回大会(中国・四国部会香川大学担当、七七年一〇月二九・三〇日開催)

〈共通論題〉福祉国家体制と社会政策
I 社会政策および福祉の概念と福祉国家 北海道大学 荒又重雄
II イギリスの福祉国家体制と労使関係 明治大学 栗田 健
III 社会的法治国家構想と社会政策 神戸大学 足立正樹
IV 「平等化」のなかでの「福祉国家」――スウェ―デンの場合―― 中央大学 川口 弘
V 日本医療保障の「危機」構造 専修大学 西岡幸泰
VI 福祉国家体制と社会政策――生活保護の実施状況からみて―― 明治学院大学 三和 治
VII 福祉国家状況における老後保障の構成 同志社大学 小倉襄二
総括討論
座長 同志社大学 西村豁通 高知大学 松井栄一
予定討論者 福島大学 相沢与一 関西学院大学 大前朔郎 佐賀大学 中原弘二 日本社会事業大学 吉田久一
 本大会では自由論題報告がなく共通論題一本にしぼられたためか、両日とも活気のあるしかも密度の高い討論がおこなわれた。また大会終了の翌日は会場校の肝煎により付帯行事として五色台等をバス見学する機会を得た。

 

二 部会関係

◇北海道部会
日時 一九七七年六月二八日
場所 北海道総合経済研究所会議室
出席者 一〇名
〈報告〉
ソ連邦の労務管理の歴史的変遷――HOTを中心として―― 北海学園大学 宮坂純一氏
  (北大 荒又記)
◇関東部会
 担当校の事情により年度内に部会を開くことができなかったが、四月中の開催を予定して報告者とテ―マを次のように内定している。
テ―マ 労働貴族の古典的時代におけるプリントガラス製造工
報告者 慶応大学 松村高夫
  (中大・島崎記)

◇関西部会
第四〇回関西部会
日時 一九七八年四月二二日(土)午後一時
場所 同志社大学光塩館地階会議室
〈報告〉
共通課題「労働組合と労働者参加」
報告者 立命館大学 戸木田嘉久 甲南大学 熊沢 誠 名古屋大学 小池和男
総括討論座長 大阪市立大学 吉村 勵
 (同志社大・西村記)

◇中国・四国部会
日時 一九七七年七月二一・二二日
場所 松山市、愛媛労働問題資料センタ―
一 研究報告
農村過剰人口論の検討 島根大学 木村隆之
労働力の価値について 香川大学 山下隆資
小企業未組織労働者の賃金意識 愛媛大学 星島一夫
老齢保障の条件 岡山大学 向井喜典
二 協議事項
第五五回研究大会にむけて 提案 香川大学 木村正身
 一九七七年度は、社会政策学会第五五回研究大会を中国・四国部会の主催でおこなった年でもあった。幹事会ならびに会員の皆様方に、いろいろお世話になったことをお礼申し上げたい。また、福祉問題分科会の西村豁通幹事からは、とりわけ数多くの御助言をいただいたことを重ねてお礼申し上げる次第である。
 (岡山大・向井記)

◇九州部会
第二一回研究会
日時 一九七七年九月三日 午後一時半
場所 佐賀市「葉がくれ荘」
報告
一、「強められた労働」に関する一考察 九州大学 立花敬雄
二、交渉力とジョブ・プロパティ・アナリシス―コモンズ理論との関連で― 九州大学 鈴木 滋
第二二回研究会
日時 一九七七年一一月二七日 午前十時
場所 鹿児島大学法文学部会議室
報告
一、十九世紀イギリスにおけるレッセ・フェ―ルと社会政策 佐賀大学 中原弘二
二、労働・社会政策研究の諸課題 鹿児島大学 吉村朔夫
第二三回研究会
日時 一九七八年二月四日 午後一時半
場所 九州大学経済学部会議室
報告
一 科学技術革命と生産力概念の再検討 九州大学 久野国夫
二 炭鉱住宅問題と産炭地域政策 佐賀大学 蔦川正義
  (鹿児島大・吉村記)



 

三 分科会関係

◇生活問題・社会保障合同分科会
1 東京都家内労働工業実態調査 東京都労働局 久保田喬氏(七七年四月二三日、上智大)
2 家内労働法の実施上の現状と問題点 日本産業労働組合連合会 小口賢三氏(七七年六月一八日、上智大)
3 スウェ―デンの公的扶助について 日本女子大 一番ケ瀬康子(七七年九月一七日、日本女子大)
4 ニュージーランドの社会保障 社会保障研究所 山崎泰彦氏(七七年一一月一九日、上智大)
5 東京都内職労働者の実態 東京都労働局 久保田喬氏(七七年一二月二三日、上智大)
6 皆年金下の新年金体系 慶応大 中鉢正美 早大 佐口 卓(七七年二月四日、上智大)
7 「社会保障制度審議会の年金制度に関する建議」をめぐっての討論 日本女子大 佐藤 進 国民生活センター 山崎 清(七八年三月一八日、上智大)
 記事中、報告者に敬称を付してあるのは非会員にお願いしたばあいである。
  (早大・佐口記)

◇労働組合分科会
1 日時 一九七七年七月九日(土)午後一時三〇分
 場所 専修大学神田校舎
 報告者 永山利和(日大)
 テ―マ「イタリア労働運動と雇用問題」
2 日時 一九七七年一二月一〇日(土)午後一時三〇分
 場所 専修大学神田校舎
 報告者 佐藤 清(中大)
 テ―マ 「フランス労働運動と自主管理論」
  (専大・加藤記)

◇福祉問題分科会
第七回福祉問題分科会
日時 一九七八年四月二二日(土)午前九時半
場所 同志社大学光塩館地階会議室
〈報告〉
共通論題「婦人労働と福祉問題」
報告者 京都府立大学 宝光井顕雅 日本福祉大学 歌川悦子
  (同志社大・西村記)

〔2007年5月6日掲載〕


《社会政策学会年報》第22集『戦後体制と労使関係』(御茶の水書房、1978年5月刊)による。






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