社会政策学会 第23期(1994〜96年)幹事会記録


*第0回
1994.5.28
*第1回
1994.5.29
*第2回
1994.7.14
*第3回
1994.9.22
*第4回
1994.11.4
*第5回
1994.11.5
*第6回
1994.11.6
*第7回
1995.1.28
*第8回
1995.4.22
*第9回
1995.5.26
*第10回
1995.5.27
*第11回
1995.5.28
*第12回
1995.7.22
*第13回
1995.10.20
*第14回
1995.10.21
*第15回
1995.10.22
*第16回
1996.3.8
*第17回
1996.5.17
*第18回
1996.5.18
*第24期
幹事会記録

第1年度(1994年5月〜95年4月)



第0回幹事会記録

【日 時】 1994年5月28日(土)19時00分〜19時25分
【会 場】 埼玉大学
【出席者】 相沢与一,荒又重雄,伊藤セツ,加藤佑治,菊池光造,栗田健,下山房雄,清山卓郎,高橋祐吉,竹中恵美子,戸塚秀夫,西村豁通,二村一夫。
【議 長】 加藤佑治幹事
1.相沢選挙管理委員長より,下記の通り,役員選挙の結果が報告された。
幹事
関 東  戸塚秀夫,加藤佑治,高橋祐吉,二村一夫,栗田健,伊藤セツ,牧野富夫,早川征一郎。
  なお,次点の大沢真理,兵藤釗の両会員の得票は早川会員と同数であった。このため,抽選によって早川会員を当選と決定した。
関 西    竹中恵美子,西村豁通,熊沢誠,菊池光造。
東北・北海道  相沢与一,荒又重雄。
中四国・九州  下山房雄,清山卓郎。

監事      佐口卓

2.推薦幹事の選考
 協議の結果,次の会員が,満場一致で幹事に推薦された。
関 東     大沢真理,工藤恒夫,佐口和郎,高田一夫。
関 西     石田光男,浜岡正好。
東北・北海道  美馬孝人。
中四国・九州  野村正實。
                                 以 上



第1回幹事会記録

【日 時】 1994年5月29日(日)12時30分〜13時25分
【会 場】 埼玉大学
【出席者】  相沢与一,荒又重雄,伊藤セツ,大沢真理,加藤佑治,工藤恒夫,栗田健,佐口和郎,下山房雄,清山卓郎,高田一夫,竹中恵美子,戸塚秀夫,西村豁通,二村一夫,野村正實,浜岡政好,早川征一郎。
なお,高橋祐吉幹事は年報編集委員会に,菊池光造・牧野富夫両幹事は総括討論打合せ会に出席のため欠席。
【議長】 [協議事項1]は加藤佑治幹事,[協議事項2]以降,二村一夫幹事
【審議事項】
1.今期代表幹事選出の件
  互選により,二村一夫幹事を代表幹事に選出した。
2.各種委員の選出,委嘱について
①年報編集委員
 a)委員長に高橋祐吉幹事を選任した(1996年春の総会まで)。
 b)任期4年(1998年春の総会まで)の委員に,伍賀一道,町井輝久,森ます美の各会員を委嘱することとした。
 c)上井喜彦委員が任期途中で留学するため,後任の編集委員として遠藤公嗣会員を委嘱することとした(任期は上井委員の残任期間である1996年春の総会までとなる)。
 d)本部校からの委員1名については,法政大学の内部で協議して決定することで了承された。〔追記;その後,本部校からの1名は五十嵐仁会員に決定した。任期は1996年春の総会までの2年となる〕。
②日本経済学会連合の次期評議員
 伊藤セツ幹事,高田一夫幹事を選出した。
③日本学術会議経済政策研究連絡委員会の次期委員
 加藤佑治幹事,荒又重雄幹事を選出した。
④国際交流小委員会
 栗田健,二村一夫,高田一夫の各幹事を選出した。
3.新入会員の承認に関する件
次の2氏の入会を承認した。
 中里操夫(清和女子短大)    推薦者 平田マキ,岩見恭子
 丹下晴喜(立命館大学大学院)  同   戸木田嘉久,藤原壮介
4.第90回大会の共通論題
 「技術と社会変動」を内容とすることを決め,コーデネーターとして野村正實・大沢真理の両幹事を選任した。ただし,テーマを最終的に決定する前に,会場校の要望を聞くこととした。
5.次回幹事会の日時
 94年7月14日(木)午後6時よりと決定した。
                                        以 上
【追記】 会議終了直後に,荒又幹事〔当初「下山幹事」と誤記〕から要旨つぎのような発言があった。「現在,外国人の入会は日本在住者のみを認めている。しかし,日本語での討論に参加しうる研究者であれば,日本に居住しない外国人研究者についても積極的に入会を認めても良いのではないか」。これに対する異議はなかった。しかし,議事終了後のことであり,これについては次回の幹事会で改めて議題として協議したい。欠席される幹事でご意見のある方は,代表幹事まで連絡願いたい。



第2回幹事会記録

【日 時】 1994年7月14日(木曜)午後6時〜8時25分
【会 場】  明治大学 研究棟4階第3会議室
【出席者】 伊藤セツ、大沢真理、加藤佑治、工藤恒夫、栗田健、佐口和郎、高田一夫、戸塚秀夫、野村正實、二村一夫、早川征一郎、牧野富夫。オブザーバー:木村周市朗(成城大学)
【議 長】 二村一夫
【報告事項】
二村一夫代表幹事から次のような報告がおこなわれた。
 (1) 第90回大会の開催校を成城大学にお願いし快諾をえた。慣例にしたがい、今幹事会から成城大学の木村周市郎会員にオブザーバーとして出席願っている。
 (2) 「第1回幹事会記録」の〈追記〉において、外国人会員の入会問題の提案者を「下山幹事」と記したのは誤りで、「荒又幹事」からの提案であった。訂正と同時にお二人にお詫びしたい。
 (3) 本部事務引き継ぎの件……専修大学との間で、会計など主要な問題に関する事務ひきつぎは終了した。なるべく早い機会に部会・分科会補助費を送金したいが、担当校の交代についてまだ掌握しきっていない。ご存知の方はご連絡ねがいたい。
 (4) 年報編集委員会委員は、第1回幹事会の決定にしたがい、各会員に依頼状を出した。全員から承諾の返事を得てはいないが、拒否された方はなく、全員から承諾されたものと考えている。なお、本部校からの年報編集委員としては、五十嵐仁会員を派遣することを決定した。
 また、高橋祐吉年報編集委員長から、第88回大会の際に開かれた編集委員会での審議、確認事項について連絡があった。それによれば、年報第39集へ収録するのは、共通論題報告者6人の報告のほか、座長の菊池光造会員による総括論文、さらに分科会での報告の中から、岩田正美、吉村臨兵の両会員の報告と決定した、とのことである。また、今後は、分科会報告については、可能な限り若い会員の報告を採録するようにしたいとの提案があり、これを了承した、とのことである。
 (5) ご要望のあった『社会政策学会Newsletter』の第1号を作成し、昨日、全会員に発送した。また、大会欠席者には、ニューズレターとともに「第88回大会報告要旨」、大会資料、会費請求と振替用紙などを、これも昨日発送した。
 (6) 第88回研究大会のプログラムが確定した旨、会場校の仏教大学の藤井会員から連絡があった。内容は、ニューズレターに掲載したので、そちらを参照されたい。

【審議事項】
1.第90回大会共通論題に関する件
 コーデネーターである野村正實・大沢真理両幹事より、次のような案が提出された。
☆共通論題の名称
 「技術と社会変動」では、あまりにもテーマが広く、報告・討論がうまくかみ合わない恐れがあるので、「技術・企業・社会」としてはどうか。以下、その前提で、報告テーマ、報告の候補者を選択した。
☆報告テーマと報告者候補
 技術選択と労働組織     清水耕一(岡山大学経済学部、経済理論学会)
 技術とジェンダー      伊藤るり(明治学院大学国際学部、文化人類学会)
 日本の技術選択と社会編成  久野国夫(九州大学経済学部)
 技術と企業間分業      植田浩史(大阪市立大学経済研究所)
 技術移転の経済的社会的条件 チョウ・トソップ(名古屋大学経済学部、組織学会)
 技術と最貧国        竹内常善(広島大学経済学部)
☆討議
 以上の提案を受けて、討議をおこなった。議論は、多岐にわたったが、大要、以下のような点が問題にされた。
 (1) これまで、社会政策学会では、「技術」を与件として扱ってきたのではなかったか。そうした反省に立って、今回の共通論題を提案したが、その点が受けとめられていない。
 (2) 提案は、製造業における技術に偏っている。情報技術に関する報告が含まれるべきではないか。
 (4) ジェンダー、フエミニズム関連の報告が一つしかないが、他の報告者がこれを事実上、カバーできるか。
 (5) 報告者のなかに、これまで技術について特に研究していない人が含まれているのではないか。
☆今後の具体化について
 (1) 今日の議論をふまえ、両コーディネーターに再度、検討してもらうこととする。本日欠席された幹事のなかにも、この問題について意見のある方がおられるであろうから、そうした方は、個々に両コーディネーターにこれを伝え、検討を求めることができる。しかし、次回の幹事会で討議してから報告者への交渉をするのでは時間的に遅くなるので最終案の決定は、両コーディネーターに一任する。
 なお、これに対し、コーディネーター側から、意見は出来るだけ具体性のあるもの、つまり報告者名、テーマなどを明示したものとして欲しい、との要望が出された。意意見集約の期限は、コーディネーターの海外出張など準備の都合上から、94年8月7日(日)とすること、意見は出来るだけ文書で出すことなどを了承した。なお、両コーディネーターの Fax 番号は、つぎのとおり。
  野村正實(オンライン公開なので番号を省略する、野村研究室)
  大沢真理(オンライン公開なので番号を省略する、東大社研)
 なお、会場校の成城大学からは「技術と社会変動」で異論はないとの意向が示された。このほか、会員でない報告者を依頼する件について、謝礼や人数など、さまざまな問題について検討する必要があることも、指摘された。

2.第90回大会テーマ別分科会について
 社会保障・福祉問題、生活問題に関する分科会は必ず設けること、これについては、次回までに工藤恒夫幹事に原案の作成を委嘱することになった。このほか労使関係、労働運動、ジェンダーなどの案が出された。これに関し、意見・提案のある幹事は、次回までに、具体案を出し、これをもとに検討することとした。

3.入会申し込みに関する件
 つぎの3氏の入会申込みを承認した。
   衣笠 巧(中京短期大学助教授)      推薦者 森隆男、川島美保
   村上良三(産業能率大学経営情報学部教授) 推薦者 嶺 学、五十嵐仁
   泉 輝孝(奈良大学社会学部教授)     推薦者 嶺 学、五十嵐仁

4.外国人研究者の入会に関する件
 外国人会員に住所不明者が多く、かねてから問題となっている外国留学者の会費の減免措置とも関わるので、今後の学会改革論議のなかで検討することとした。

5.その他
 (1) 自然退会候補者について(別紙リスト参照)
 すでに、会費督促状を郵送済みであるが、個別に話のできる人については、自主的に話していただき、できるだけ会にとどまっていただくよう働きかけることとした。〔なお、その後、3年分滞納者のなかに、熊本商科大学における臨時総会で名誉会員に推挙した江口英一会員が含まれていることが判明した。したがって3年分滞納者は29人となる〕。
 (2) 文部省科学研究費補助金審査委員候補者の推薦に関する件
 牧野富夫幹事に引き続き、お願いすることとし、当日、牧野幹事の了承を得た。
 (3) 学会改革問題の進め方について
 当日、「社会政策学会活性化のための改革方策に関する論点メモ」(94年7月14日付、二村一夫記)が配布された(欠席者には同封)。本格的な討論は秋の大会の前日に幹事会を開いて検討する。ただ、それまでに、あらかじめ論点を整理したメモを配布したいので、できるだけ多くの方からご意見をお寄せいただきたい、との二村代表幹事の要望を了承した。
 (4) 日本学術会議会員推薦委員会への意見書について
 加藤佑治幹事より、94年5月28日付で、意見書を提出した旨、報告があった(同封)。
 (5) 栗田幹事より、European Association of Labour Economists(EALE)へ、加入申し込みを行った旨、報告があった。また、同学会のワルシャワ大会へ出席を予定されている加藤佑治幹事を、本学会の代表とすることになった。
 (6) 会員現況、866人。うち名誉会員10人。
次回幹事会
 94年9月22日(木)午後6時〜8時



第3回幹事会記録

【日 時】 1994年 9月22日(木曜)午後6時〜8時25分
【会 場】 法政大学92年館(大学院)4階共同会議室
【出席者】 伊藤セツ,大沢真理,工藤恒夫,栗田健,佐口和郎,高橋祐吉,戸塚秀夫,野村正實,二村一夫,早川征一郎,牧野富夫。   オブザーバー:木村周市朗・臼井英之(成城大学)
【議 長】 二村 一夫

【報告事項】
二村代表幹事から,学会の現況について,次のとおり報告があった。
〈会員数〉 9月22日現在の会員数は867人である。これは前回より2人の増加である。その内訳はつぎのとおり。
   新入会員(会費納入者)    3人増
   疋田昌巳会員(日本労働研究機構)が逝去されたため,1人減。なお,入会を認められたが会費が納入されていない方が2人おられる。
〈会費納入状況〉
 本日現在の会費納入状況は以下のとおりで,例年同期とほぼ同じ程度と思われる。
   会費前納者       4人
   本年度会費納入者  524人(納入率 61.6%)
   5年分未納者       1人
   4年分未納者      19人(前回7月16日より8人減少,別紙参照)
   3年分未納者      22人( 〃    〃 8人減少,別紙参照)
   2年分未納者      68人
   本年度分未納者   219人(他に入会承認済みであるが会費未納 2人)
   名誉会員        10人
〈部会・分科会担当校および責任者の変更〉
☆ 関西部会担当
 立命館大学・藤原壮介会員から,関西学院大学・池田信会員へ交代することになった。

【審議事項】
1) 第90回大会の共通論題に関する件
 コーディネーターの野村正實・大沢真理両幹事から,前回幹事会での論議と,その後,幹事から個別に出された意見を考慮した結果として,つぎのような新たな案が提出され,原案通り承認された。
 なお,交渉の結果によっては報告者およびテーマも変更せざるを得ない場合がありうるが,それについては,野村・大沢両氏に一任することになった。
共通論題 《技術・企業・社会》
「技術選択と労働組織」    清水 耕一(岡山大学経済学部)
「技術とジェンダー」     大沢 真理(東京大学社会科学研究所)
「日本の技術選択と社会編成」 久野 国夫(九州大学経済学部)
「技術と企業間分業」     清 晌一郎(関東学院大学)
「技術移転の社会的条件」   チョウ・トソップ(名古屋大学経済学部)
「技術と最貧国」       竹内 常善(広島大学経済学部)
「日本の技術開発」      吉岡  斉(九州大学)
 なお,共通論題については,それが「年報」のタイトルにもなることであり,より内容を分かりやすいものに出来ないかとの要望があり,さらに検討することになった。また,これについて具体的な提案がある方は,ぜひ意見を寄せていただきたいとのコーディネーターの要望が了承された。
 なお,非会員の報告者に対しては,旅費などを支払うのか否か,疑問が出された。これについては,現在はその予算が組まれておらず,不可能であることを確認した。この点は報告者に了解を求め,なるべく入会してもらうよう働きかけることになった。なお,会員外の報告者への謝礼などについては,学会改革の一環として検討することとした。

2) 第90回大会テーマ別分科会に関する件
 a) 社会保障・社会福祉関係の分科会については,工藤恒夫幹事からつぎのような提案があった。
テーマ 《国民生活と社会保障》
  里見賢治「国民生活と福祉政策の論点」
  唐鎌直義「高齢者の生活保障と年金問題」
 討議の結果,テーマ別分科会としては,最近の政策動向との関連もふくめ焦点をしぼり,また2つの報告をもう少しかみあったものとして,個別の報告に対する討議でなく,分科会としての討議ができるようにする必要があるとして,工藤幹事に再検討をねがうことになった。
 b) もうひとつのテーマ別分科会については「雇用形態の多様化」に関するものとすることを決定した。また,この分科会の具体案の作成は,佐口和郎幹事に委嘱することになった。
 c) Newsletter で自由論題の募集につき予告したところ,東海大学の横山北斗会員から,自由論題の分科会での報告希望が出されたことが報告された。テーマは「英国におけるポピュラー・キャピタリズムを機軸とした住宅政策の新展開──1979年から1990年まで」である。採否については,あらためて自由論題の報告者を募集したうえで,決定することにした。
3) 入会申し込みに関する件
 つぎの3人の方から入会申し込みがあった。検討の結果,全員の入会を承認した(敬称略)。
 色川卓男((財)家計経済研究所研究員) 推薦者 岩田正美,馬場康彦
 箕岡三穂(立正大学経済学部講師)   推薦者 佐藤 進,筆宝康之
 立川 潔(成城大学経済学部助教授)  推薦者 上野 格,木村周市朗
4) 退会者に関する件
 疋田昌巳会員(日本労働研究機構)が94年2月6日に逝去されたことが報告され,退会が確認された。
 また,小林節夫会員から,本年度をもって退会したい旨通知があったことが報告され,95年3月末をもって退会とすることを承認した。
5) その他
  a) 自然退会候補者について
 4年以上の会費滞納者が20人いるが,自然退会の処置をとるか否かは,各幹事から周辺の会員に納入を促していただいた上で,次回の幹事会で決定したいとの代表幹事の提案を承認した。別紙滞納者一覧参照。
  b) 学術会議経済政策研究連絡委員会の次期候補の推薦について
 代表幹事から,次のような説明があった。
  「第1回幹事会では,研連委員の候補者として荒又重雄,加藤佑治の両幹事を選出した。しかし,8月に学術会議から届いた要請では,社会政策学会からの候補推薦枠は1名に減員されていた。本来であれば,荒又,加藤両幹事のうちどなたを推薦するか,幹事会にはかるべきであったが,締め切りが9月10日であったため,その時間的余裕がなかった。やむなく荒又幹事と相談の上,加藤氏を推薦した。事後承諾になるが,ご了承ねがいたい」。
  この件については,異議なく了承された。
6) 学会改革問題の進め方について
 代表幹事から,つぎのような提案があった。
 「会則の修正を必要とする問題,会費値上げなど財政的な措置が必要な問題は,総会で審議決定しなければならない。したがって,新しい会則で,次期役員の選出をおこなうには,来年5月の総会で決定しなければならない。それには秋の研究大会の前日に幹事会を開き,時間をかけて討議する必要がある。もしそこで意見の一致をみなければ,来春の大会の際にあらためて検討し,来年秋の研究大会の折に臨時総会を開いて決めることにしたい」。
 これについて討議した結果,改革問題は,単に役員選出問題だけでなく,大会や分科会など学会の活動全般について,広く再検討すべきであることで一致した。
 また,こうした問題は十分時間をかけておこなうべきであるとの意見があり,拙速は避けることを確認した。また,改革についての実質的な討議は,地方在住の幹事が出席しやすい大会,研究大会の際に開く幹事会でおこなうことも確認した。しかし,大会開催日の昼休みに開く幹事会では,時間的に制約があるのと,共通論題座長や編集委員会委員長など,出席できない幹事もいるので,大会前日に幹事会を開き,時間をかけて討議することにした。具体的には,11月4日(金曜)午後2時から6時にかけて幹事会を開き,審議することを決定した。
                         以上

【訂正】
 〈第2回幹事会記録〉の第90回大会テーマ別分科会に関する箇所で,「ジェンダーに関する分科会の設置が提案された」との趣旨が記録されているが,これは発言の真意を伝えていない旨,伊藤セツ幹事から指摘があった。
 正しくは,「どのテーマにおいてもジェンダーの視点がほしい」と希望したのであり,「独立の分科会の原案作成について委嘱をうけたのでなく,この趣旨を分科会の設定に反映させるため意見を述べたいとの意図であった」。 



第4回幹事会記録

【日 時】 1994年 11月 4日(金曜)午後2時〜6時30分
【会 場】 佛教大学鷹陵館第1会議室
【出席者】 相沢与一、荒又重雄、石田光男、伊藤セツ、菊池光造、工藤恒夫、栗田健、佐口和郎、清山卓郎、高橋祐吉、高田一夫、竹中恵美子、戸塚秀夫、西村豁通、二村一夫、野村正實、浜岡政好、早川征一郎、牧野富夫。  オブザーバー:木村周市朗・臼井英之(成城大学)
【欠 席】 大沢真理、加藤佑治、熊沢誠、下山房雄、美馬孝人、佐口卓。
【議 長】 二村 一夫

【報告事項】
1.二村代表幹事から学会の現況について次のような報告があった。
【会員総数】 868人(うち名誉会員 10人)。なお、この他5月に入会承認済みであるが、会費未納者が2人いる。
【会費納入状況】
 会費納入義務ある会員  858人
 会費前納者         4人
 本年度分会費納入者   559人(65.2%)
 会費未納者       295人
    内訳 5年分未納者    1人
       4年分未納者   14人(引き継ぎ時より 8人減)
       3年分未納者   20人( 〃 〃    9人減)
       2年分未納者   64人( 〃 〃   26人減)
       本年度分未納者 196人( 〃 〃  210人減)
【部会担当校の変更】 中国・四国部会の担当校が、吉備国際大学・宮田千蔵会員に変更された旨通知があった。名簿校正後の連絡であったため、新名簿は旧担当校が記載されている。〔追記;さらに研究大会の際、東北部会の担当校が福島大学から東北学院大学・斉藤義博会員に変更された旨の連絡があった。〕
2.第90回大会の共通論題の準備状況
 コーディネーターの野村正實幹事から、つぎのような報告があった。
 先の第3回幹事会において了承された計画に基づき、7人の報告予定者と交渉した結果、全員から快諾を得た。また、2人の報告者が入会の意向を表明された。

【議 事】
1.第90回大会テーマ別分科会の件
 ① 社会保障・社会福祉分野に関するテーマ別分科会について、工藤恒夫幹事から、前回の幹事会の討議をうけてつぎのような再提案があり、異議なく了承された。
  テーマ 《国民生活と福祉政策の論点》     
  里見賢治「国民生活と福祉政策の論点」
  唐鎌直義「高齢者の生活問題と年金制度」
 ② 労使関係・労働問題のテーマ別分科会について、佐口和郎幹事から、つぎのような提案があり、大筋で了承され、報告者との交渉などは佐口幹事に一任された。なお、来年秋の研究大会で〈規制緩和問題〉を共通論題のテーマとして取り上げる計画があるので、当事者と連絡をとりつつ準備することも確認された。
  テーマ 《労働市場の規制緩和問題》(仮題)
  報告候補者:下平好博(明星大学)、三富紀敬(静岡大学)、山口浩一郎(上智大学)、鈴木宏昌(早稲田大学)

2.入退会に関する件
 ① 次の方々から入会の申し込みがあり、検討の上、全員の入会を承認した。
大潮まゆみ(滋賀文化短期大学専任講師)  推薦者  住谷馨、小倉襄二
兵藤敦史(九州大学大学院博士後期課程)  推薦者  下山房雄、石井まこと
杉本龍紀(北海道大学研究生)       推薦者  荒又重雄、美馬孝人
 ② 山本開作会員(大阪市立大学)、堀越稔会員(労働調査研究所)が逝去されたことが報告され、退会が確認された。また、一條和生会員(一橋大学)から出されていた退会希望を承認した。
 ③ 5月に入会が認められていながら、現在まで会費の納入がない新入会者については、秋の研究大会以降の入会者に対する会費の減額措置の対象としないことを確認した。

3.学会改革に関する件 
 二村代表幹事が、各幹事宛にあらかじめ送付してあった「学会改革に関する論点整理」について説明した。そのなかで、検討すべき課題の優先順位など〈審議の進め方〉について提案した。これを受けて検討の結果、①予算にかかわる問題、②役員選出など会則の改正を必要とする問題を優先的に検討することなどが確認され、別紙の「論点整理」の順序にしたがって審議し、以下のように決定した。
【予算にかかわる問題】
a) 支出増となるもの
 改革にともない支出増が予想される9項目について逐次検討し、以下のように決定した。
 ① 学会事務センターへの事務委託について
  本件は、会員増にともない厖大化した本部事務を軽減するだけでなく、次のようなメリットがある。(1)これまで代表幹事の選任は、本部事務を担当できる条件があるか否かを第一に考慮せざるをえず、したがって東京近辺の一部大学関係者に限定されてきた。本部の雑務負担が軽減されれば、代表幹事はより広い範囲から適任者を選ぶことができる。(2)事務所を2年ごとに移転することにともなう不便を解消できる。
 しかし、反面、会費領収書を発行しないなど、現在のようなきめ細かい会員へのサービスは期待できず、経費も会員1人あたり1,000円は増えると予想される。本件については、今すぐ委託の必要はなくその用意も整っていないので、今回は見送ることとなった。しかし次の本部校を決める際には、あらためて問題となりうる。
 ② 『社会政策叢書』の購入の義務化
  はじめに、「論点整理」において、本件に要する費用が会員1人3,000円となっている根拠について質問があった。これに対し二村代表幹事は、これは年報代と同額にしたもので、また全員に購入を義務づければ3,000円で刊行は可能であると考えたからであると答え、了承された。
 検討の結果、これを実施すれば大幅な会費の値上げをせざるをえない。一方実施しないと決めれば、すでに厳しい状況にある『社会政策叢書』の継続問題や、さらには秋の研究大会の存続問題さえ浮上する可能性がある。こうした問題をいま直ちに幹事会だけで決定することは出来ない。そこで、一般会員に、問題点を説明した上で、その意向をアンケートによって確かめる。その結果をふまえ、本件は、来年春の大会の前日に開く幹事会においてあらためて検討する。したがって、実施するとしても再来年度以降となる。以上の点を確認した。
 ③ 季刊の機関誌発行
  本件については、出席者のうちでは、提案者の野村幹事のほか、伊藤幹事が賛成しただけであった。また、提案者側も来年度から刊行するだけ準備ができていないことを認め、今回は見送ることになった。
 ④ 大会経費の完全学会負担
  本件については、来年度から実行することとした。ただ、各大学の学会補助費の金額にはかなりの違いがあり、大会開催費を増額するやり方ではなく、予備費を増額し、開催校が赤字を出した場合に、そこから補填する形で処理することとなった。 関連して、現在〈渡しきり〉になっている大会・研究大会、部会・分科会の補助金についても、その支出内容の報告を求めることが確認された。
 ⑤ 大会報告を依頼した非会員への旅費、宿泊費の支払い 
  本件については、来年度から実行することを決定した。ただし、旅費、宿泊費にとどめ、謝礼は支払わない。
 ⑥ 大会報告者の準備会のための旅費・会合費などの支払い
  今回は、見送ることとなった。
 ⑦ 幹事会への出席に多額の旅費を要する幹事への補助
  これも、見送ることになった。
 ⑧ 郵送による役員選挙にともなう費用
  本件は、単なる財政問題ではないので、会則改正に関する問題点の審議を経た上で決定することとした。
 ⑨ Newsletter の発行費用
  現在は、それほど多額の予算を計上しなくとも実施できる見通しである、との代表幹事の説明が了承された。

b) 支出減あるいは収入増となるもの
 ① 入札による印刷費の節減。
  異議なく、了承された。
 ② 報告要旨の簡素化 & or 欠席者への発送中止
  大会の報告要旨を欠席者に発送することは、来年度からやめることが決定された。ただし、部数は若干多めに印刷し、希望者には、本部の事務負担を大きく増やさない方向で(出席者を通じ、あるいは秋の大会で)配布することにした。
 ③ 大会参加費の徴収
  会員に対する大会参加費の徴収は行わないことを決定した。非会員については、従来から徴収しており、今後も継続することが確認された。
 ④ 資料費の徴収。
   ③に同じ。

c) 在外留学者、在外会員の会費減免問題
  在外留学者への会費減免措置は、本部事務が煩雑となること、また留学者の場合は住所不明、会費滞納などのため、一般会員よりむしろコストがかかることを考慮し、本件は実施しないことを確認した。

【会則の改正を要する問題】
a) 役員選出に関する問題
 ① 多選の制限。
  幹事は、連続3期を限度とすること、ただし1期休めば、改めて連続3期選出されるうることが決定された。また、その起算は今期からとすること、すなわち現幹事は、あと2期のみとすることで合意した。
 ② 役員定年制。
  役員定年制はこれを設けない。ただし、65歳以上の幹事の比率は、全会員中の65歳以上会員の構成比以内とすることになった。具体的には、65歳以上の候補については、得票順に会員比率に達するまで幹事として選任し、枠を越えた65歳以上候補は、65歳未満候補より得票数が多くても、幹事とはしないこととした。

b) 選挙方法に関する問題
 ① 郵便投票。
  郵便投票制は実施せず、従来通り総会において選出することで一致した。ただし、大会プログラム送付の際に、あらかじめ、被選挙人名簿を全会員に送付することとした。
 ② 当選者の辞退権。
  幹事に当選した会員が就任を辞退する権利について、会則に規定しない点で一致した。ただし、病気や留学など、個人的な事情がある場合は、個々の事例ごとに幹事会で検討し、承認された場合は次点者から繰り上げることを決定した。

【〈幹事会申合せ〉の改正で済む問題】
a) 役員選挙に関する問題
 ① 連記人数の制限。
  これまでの10名連記制を改め、次回から 7名連記制とすることになった〔なお、本件については、第4回幹事会では 5名連記説が有力であったが、第5回幹事会において再検討の結果、7名連記とすることで一致した〕。
② 分野別代表など。
 選挙による幹事は、従来どおり地域ブロックごとに選出する。しかし、推薦幹事については地域別の枠をはずし、分野・性・年齡・地域などさまざまな要素を考慮して、幹事会の構成が偏ったものとならないようにすることで合意した。

 以上の審議を終えたところで、予定の時間を越えたので、「学会改革に関する論点整理」における【大会・研究大会の改善】、【地方部会・分科会の活性化】、【会員範囲ほか】の諸問題については、第5回、第6回幹事会において協議することとして散会した。
             以 上
【訂正】 第3回幹事会記録において、工藤恒夫幹事から提案された第90回大会分科会のテーマを「高齢者の生活保障と年金問題」と記したが、正しくは「高齢者の生活問題と年金制度」であった。お詫びして訂正する。


第5回幹事会記録

【日 時】 1994年 11月 5日(土曜)正午〜午後 1時
【会 場】 佛教大学鷹陵館第1会議室
【出席者】 相沢与一、荒又重雄、石田光男、伊藤セツ、菊池光造、工藤恒夫、熊沢誠、栗田健、佐口和郎、清山卓郎、高田一夫、竹中恵美子、戸塚秀夫、西村豁通、二村一夫、野村正實、浜岡政好、早川征一郎、牧野富夫、美馬孝人。  オブザーバー:木村周市朗・臼井英之(成城大学)
【欠席】 大沢真理、加藤佑治、下山房雄、佐口卓。〔高橋祐吉幹事は、年報編集委員会に出席〕 
【議長】 二村一夫

【報告事項】
 1) 二村代表幹事から、前日の第4回幹事会における学会改革問題審議の経過と結果について報告があった〔別紙、第4回幹事会記録参照〕。

【審議事項】
 1) 改革問題に関する報告の後の質疑で、戸塚幹事から、前日の学会改革討議での「大会経費の完全学会負担」に関し、次のような発言があった。「大会、研究大会の開催で余剰金が出た場合、学会に返却すべきであると発言したが、これを幹事会の合意とすることはできないか」。これについては、討議の結果、開催校にはそれぞれの事情がありうるので、返却を義務とはせず、可能な場合に本部財政に戻してもらうということで、合意をみた。
 2) また、前日の改革討議において洩れていた、「役員の多選の制限」の対象となる〈役員〉について検討し、これには幹事だけでなく、監事も含まれることを確認した。
 3) 入会申込に関する件
つぎの2人の方からの入会申し込みを検討し、いずれも入会を承認した。
池田 敬正(佛教大学社会学部教授)    推薦者 浜岡政好、岡崎祐司
木下 秀雄(大阪市立大学法学部助教授)  推薦者 青木郁夫、武田 宏
 4) その他
 野村正實幹事より、第90回大会の共通論題のタイトルを「技術選択と社会・企業」と改めたいとの提案があり、異議なく了承された。

                                以 上



第6回幹事会記録

【日 時】 1994年 11月 6日(日曜)正午〜午後 1時
【会 場】 佛教大学1号館5階大会議室
【出席者】 相沢与一、荒又重雄、石田光男、伊藤セツ、菊池光造、工藤恒夫、熊沢誠、栗田健、佐口和郎、清山卓郎、高田一夫、高橋祐吉、竹中恵美子、西村豁通、二村一夫、浜岡政好、早川征一郎、牧野富夫、美馬孝人〔荒又重雄、清山卓郎、西村豁通、美馬孝人の各幹事は、地方部会打合会のため途中から出席〕。 オブザーバー:木村周市朗・臼井英之(成城大学)
【欠席】 大沢真理、加藤佑治、下山房雄、佐口卓、戸塚秀夫、野村正實。
【議長】 二村一夫

【審議事項】
1) 第92回大会の共通論題とコーデネーターについて
 共通論題のアンケート結果について報告を受け、共通論題とともに、分科会の在り方などについても議論した。しかし結論はでず、継続討議と決定した。
2) 入会に関する件
 つぎの2人の方からの入会申し込みを検討し、いずれも入会を承認した。
   河野 すみ子(金沢大学大学院)     推薦者 横山 寿一、伍賀 一道
   川瀬 善美(白鴎女子短期大学助教授)  推薦者 森田明美、山下袈裟男
3) 自然退会候補者の取扱いについて
 すでに4年分以上を滞納している15人の会員のうち、住所不明のため連絡がとれずにいる鄭夢準会員、および本人が自然退会を希望している小池和男会員の2人を自然退会とすることを決定した。他の滞納者については、さらに個別に働きかけ、会費の納入を促すこととした。
 また、研究大会への出欠連絡の葉書で逝去されたことが判明した小野恒雄会員と、退会の希望を表明してこられた三吉明会員、芳賀守会員の退会を確認した。
4) その他
 次回の幹事会を94年12月中に開くことを確認した。

                               以 上



第7回幹事会記録


【日 時】 1995年1月28日(土曜)午後2時〜4時
【会 場】  法政大学大学院棟4階共同会議室
【出席者】 加藤佑治、工藤恒夫、栗田健、佐口和郎、高田一夫、高橋祐吉、戸塚秀夫、二村一夫、竹中恵美子、早川征一郎。オブザーバー:木村周市朗、臼井英之(成城大学)。
【欠 席】 相沢与一、荒又重雄、石田光男、伊藤セツ、菊池光造、大沢真理、熊沢誠、下山房雄、清山卓郎、西村豁通、野村正實、浜岡政好、牧野富夫、美馬孝人、佐口卓。
【議 長】 二村一夫

【報告事項】
会の現況について、代表幹事から次のような報告があった。
【会員数】       870人(うち名誉会員10人)
【94年度会費納入済み】 860人中670人(納入率 77.9%)
【会費未納者】          190人
        内訳   4年分  10人
             3年分  17人
             2年分  44人
             1年分 119人
 なお、その後2人の会員から会費の納入があり、1月末現在の未納者は188人(納入率78.1%)となった。また1年分未納者数は117人である。

【住所不明会員】
 なお、次の6人の会員に、Newsletter NO.2 が住所不明として届かなかった。お心あたりの方は本部宛ご連絡願いたい。

青山 悦子 (慶應義塾大学大学院) 岡崎 祐司 (佛教大学)
青山 秀雄 (作新学院大学)    岡崎 琢也 (鉄道総合技術研究所)
李  義圭 (大阪市立大学大学院) 加瀬谷まゆみ(労働調査協議会)

【審議事項】
1.第90回大会分科会に関する件
1) テーマ別分科会に関する件
 すでに決定している、社会保障・社会福祉分科会、労使関係分科会のほか、ジェンダーに関するテーマの分科会を、幹事会として準備し、第1日目の午前に開催することとした。また、そのコーディネーターを、竹中幹事にお願いすることとした。
 なお、労使関係に関する分科会は、今秋の金沢大学での研究大会が「規制緩和問題」を共通論題とする方針であるとのことで、関係者と調整した結果、「労働市場と自由化政策」(仮題)として、下平好博(明星大学)三富紀敬(静岡大学)両氏に報告を依頼し、了承をえたことが、佐口幹事から報告された。また、社会保障・社会福祉分野に関するテーマ別分科会については、すでに第4回幹事会で報告されたとおりである。なお、第4回幹事会記録が、本分科会のテーマを誤って記載していたが、正しくは「国民生活と社会保障の政策課題」である。たびたびの誤りをお詫びし、訂正する。
2) 自由論題に関する分科会
 自由論題での報告を希望してきた会員は下記のとおりであった。全員について報告を認めることとしたが、分担しての報告を希望されていた星野・岩田両会員については、1人分の枠の中で済ませていただくこととした。自由論題に関する分科会は4つ設けることとし、午後に1時間半程度の枠で2本の報告を願うこととした。
第1分科会
藤田伍一(一橋大学) 「欧米の財産形成政策の特質」
横山北斗(東海大学) 「英国におけるポピュラー・キャピタリズムを機軸とした住宅政策の新展開──1979年から1990年まで」
第2分科会
高木和美(福井県保険医協会)「介護・看護研究の現状と課題」
田中きよむ(高知大学) 「障害者の所得・就労保障をめぐる制度改革とその影響」
第3分科会
埋橋孝文(大阪産業大学) 「福祉国家の類型論と日本の位置」
星野信也(日本女子大学)岩田正美(東京都立大学)「わが国における貧困・不平等の測定──全国消費実態調査再集計による」
第4分科会
長井偉訓(愛媛大学)「労働者派遣法の評価と見直しの論点」
久田俊夫(市邨学園短期大学)「モリーマグワイア団事件──金ピカ時代の泥棒男爵と"幻"の革命団」

2.第92回大会共通論題について
 高田一夫、佐口和郎の両幹事に企画立案を依頼することとした。なおその際、両幹事の判断で、一般会員からも適任者を加え〈プラグラム・コミッテイ〉を組織して検討することもあってよいこと、また、第92回大会だけでなく、やや長期的に、大会のテーマについて、検討することも依頼された。

3.会費値上げ問題アンケートについて
 会費値上げ問題については、第4回幹事会で、一般会員からのアンケートを参考にして、幹事会で決定することが決まっている。このアンケートをとるには、その前に、かなりの事情説明が必要であり、また賛否両方の意見を知らせる必要もあろう。したがって、3月にニューズレターを出してこれらを知らせた上で、アンケートを実行し、大会前日=5月26日の幹事会で結論を出したい旨、代表幹事から提案があり、了承された。

4.入退会に関する件
   次の入会希望者全員の入会を承認した。
    上畑恵宣(うえはた しげのぶ) 高野山大学文学部講師    推薦者 庄谷怜子、武田宏
    曺 斗燮(ちょ とぅそっぷ)  名古屋大学経済学部専任講師 推薦者 野村正實、二村一夫
    清水耕一(しみず こういち)  岡山大学経済学部教授    推薦者 野村正實、二村一夫

   代表幹事から、次の各会員より本年度をもって退会したいとの希望が出されていることが報告された。
赤井正二、井村喜代子、細川汀。

5. 4年分の会費滞納者の整理については、5月26日の幹事会で行ないたい旨、代表幹事から提案があり、了承された。
                            以上



第8回幹事会記録

【日 時】1995年4月22日(土)午後5時〜7時30分
【会 場】法政大学大学院棟4F共同会議室
【出席者】 伊藤セツ,大沢真理,加藤佑治,工藤恒夫,栗田健,佐口和郎,高田一夫,西村豁通,二村一夫,竹中恵美子,早川征一郎。監事:佐口卓。オブザーバー:木村周市郎・臼井英之(成城大学)。

【報告事項】
 二村代表幹事から学会の現況について次のような報告があった。
1.会員数(4月21日現在)855人(うち名誉会員9人)他に,入会承認済みで会費未納2人。
 本年度をもって退会の申し出があった方,および逝去が判明した方を除いたため,前回より15人減少した。
 1)逝去 川添善弘(12月20日),湖尻賢一(1月16日),永末十四生(3月6日),平田冨太郎(3月20日)
 2)退会届提出者 伊藤博,浦辺史,山本順子,沼田稲次郎,吉武清彦,斎藤公男,和泉雄三
 3)会費納入状況(4月20日現在)〔省略〕
2.第90回大会準備状況
   成城大学・木村周市朗氏から,大会プログラムが出来上がり,すでに発送されたことが報告された。
3.学会賞の選考結果について
   学会賞選考委員会の栗田健委員長から,同日2時から開かれた第2回選考委員会において,別項のように学術賞および奨励賞を決定した旨報告された。
4.年報編集委員会報告
   年報編集委員会の高橋祐吉委員長から,年報の編集状況について文書による報告があった。
5.会費値上げ問題アンケートの中間集計(4月21日現在)回答176人……〔省略〕
6.加藤佑治幹事より,日本学術会議経済政策研究連絡委員会に関し報告があった。とくにシンポジウムの内容・運営など経済政策研連の運営が〈経済政策〉に偏っていることについて,研連内で批判が出されたことが紹介された。
7.国際交流小委員会の栗田健幹事から,EALE(ヨーロッパ労働経済学会)の会議報告集が届いており,希望者は利用されたいとの報告があった。また同学会の exsecutive member選挙に関し,立候補者募集通知があった。今回は入会直後のことでもあり見送ったが,いずれは考慮すべき問題であろうと報告された。

【審議事項】
1.1995年度予算案について
  代表幹事から,これまで予算案は本部で決め,提出直前に幹事会で検討してきた。しかし財政が大きな問題となっている時でもあり,1995年度予算案は幹事会で審議して作成したいとして「1994年度仮決算報告」,「1995年度予算案作成資料」について説明があった。
  予算案については複数の案が提起された。A案は前年度とまったく同額,これだと収入より支出がきわめて大きくなる。B案は報告要旨集の印刷費を大幅に削減し,本部費なども抑えた案である。ただし予備費を30万円に増やしてある。C案は収支をほぼバランスさせた案。そのために,報告要旨集の印刷をやめ,部会分科会の補助金や業績リスト,名簿発行も,とりあえずゼロにしている。ただし,調整原資として100万円残し,これをゼロ費目の復活,あるいは新費目に振り向けうる。
  この報告提案をうけ討議したが,結論は出し得なかった。論議が集中したのは,報告要旨集の印刷中止の可否,部会・分科会の補助費の見直し問題などであった。報告要旨集は,95年度についてはすでに原稿を集めているので止めることはできないこと,業績リストや名簿は継続すべしとの意見が多かった。ただ,会費値上げに関するアンケートがまだ集約途中であり,最終的には大会前日の幹事会であらためて検討した上で予算案を確定し,総会に提出することになった。
2.第92回大会以降の春の大会の共通論題について
  第92回大会以降の共通論題および個別のテーマなどについて,高田幹事,佐口幹事より,それぞれ別紙資料にもとずく趣旨説明があった。討論は,主として来年度の大会を念頭において作成された高田提案をめぐって行われた。主な論点はつぎのとおり。
 ①高田提案について……(1)高齢化だけでなく,少子化も同時に視点に入れた らどうか。(2)家族構造の変動を考慮に入れる必要がある。(3)人口変動の内容をもっと具体的にする必要がある。(4)報告が全体として,バラバラな報告が並ぶ感じがするなど。
 ②佐口提案について……東アジアと南アジアでは,社会・労働事情が大いに違う。地域をもっと限定したほうがよいのではないか,など。これらの意見を参考に,高田・佐口両幹事に検討を願い,次回の幹事会にあらためて提案してもらうことになった。
3.入会申し込みに関する件  下記の6人の入会が承認された。
張 啓 新  一橋大学大学院       推薦者 高田一夫  二村一夫
堀 千鶴子  一橋大学大学院       推薦者 高田一夫  二村一夫
坂本 重雄  静岡大学人文学部教授    推薦者 三富紀敬  布川日佐史
福沢 直樹  名古屋大学経済学部専任講師 推薦者 大沢真理  田端博邦
小野沢あかね 津田塾大学国際関係学科助手 推薦者 大沢真理  田端博邦
高田  実  有明工業高等専門学校講師  推薦者 早川征一郎  二村一夫
鎮目 真人  大阪府立大学大学院     推薦者 庄谷怜子  里見賢治
4.分科会責任者の決め方について
 社会保障分科会の横山和彦会員(新潟大学)より,現在,空席の生活問題分科会責任者を初め,分科会責任者の決め方について,幹事会で決めてほしいとの要望が出ていることが紹介された。討論の結果,従来どおり,各分科会の自主的な決定に委ねることが確認された。
                                 以 上



第2年度(1995年5月〜95年5月)

第9回幹事会記録


【日 時】1995年5月26日(金)午後2時〜5時30分
【会 場】成城大学3号館(経済学部)1階会議室
【出席者】伊藤セツ,加藤佑治,菊池光造,工藤恒夫,熊沢誠,栗田健,下山房雄,高田一夫,高橋祐吉,竹中恵美子,西村豁通,二村一夫,浜岡政好,早川征一郎,佐口卓。オブザーバー:木村周市朗,立川潔(成城大学)
【報告事項】
1.二村代表幹事から,会の現勢,会費納入状況,会費値上げアンケート結果について報告があった。
  1)会員数(5月25日現在)858人(うち名誉会員9人)他に,入会承認済みで会費未納4人。
  2)会費納入状況(5月25日現在)
   95年度会費納入済み    849人中282人(納入率 33.2%)
   94年度会費納入済み    861人中733人(納入率 85.1%)
   94年度以前会費未納者   126人(未納会費総額 209人年分)
          内訳 4年分  8人(32人年分) 2年分  35人(70人年分)
             3年分 12人(36人年分) 1年分  71人(71人年分)
  3)会費値上げ問題アンケート結果(別項参照)
2.学会賞について
 栗田健選考委員長より,第1回社会政策学会賞の選考経過について報告があった(別項参照)。

【審議事項】
1.1994年度決算について(別項参照)
 異議なく承認された。
2.社会政策叢書の購入義務化問題
 会員アンケート結果を参照しつつ,活発な議論が行われた。論議は,大会を現行の年2回制から年1回制にするか否かとも関わって進められた。代表幹事から,①アンケート結果から見ると,叢書を学会の正規の事業とし,会費に叢書代金を含めることについて会員の意見は大きく分かれている。②また大会年1回開催を支持する意見が少なくなく,もし叢書購入の義務化を提案するとなれば大会開催を年1回にすべきだとの意見が出るであろう。④年1回開催は,会員の会費負担を軽減することにはなるが,他方,会員の多様な関心を満たすテーマ設定が困難となり,また地方在住の会員が学会に積極的に参加する機会を減らすことになる。⑤年2回開催を維持した上で,会費の大幅値上げを避けるには,叢書購入の義務化は困難であろうとの判断が示された。また,それに代わる措置として,本年度予算で叢書刊行補助費を設けることが提案された。討議の結果,大会の年2回開催は維持し,叢書購入の義務化については見送ることが確認された。
 なおこの問題に関連して,①叢書刊行が無理なら,年報に秋の大会の報告も盛り込む,②ハードカバーでなく,雑誌型の機関誌を年2回(以上)出すなど,多様な意見が出された。それらの意見もふくめ,今後あらためて検討することになった。
3.1995年度予算案について
 代表幹事が提案した予算案をめぐって論議がかわされた。主として問題となったのは,大幅に削減された報告要旨集の印刷費と研究大会開催費,および新設の叢書刊行補助費と大幅に増額された予備費についてであった。最終的には,「叢書編集委員会費」として94年度と同額の24,000円を計上し,それに応じて次年度繰越金を減額することとし,あとは原案通り承認された。なお,今回の予算ではニューズレターの印刷費は特に計上しなかったが,次期本部校が現本部校のような形でニューズレターを出せるとは考えられないので,96年度予算では,同刊行費を新設せざるを得ないであろうことも確認された。
4.社会政策学会会則改訂案について
 代表幹事から,新たに策定した会則改訂案の説明があり,前半部分を中心に議論がおこなわれた。その結果,顧問の規定を削除することが確認された。また,年報編集委員会の名称を機関誌編集委員会とすることなどが了承された。夫婦会員制度については廃止意見と存続説が出された。時間が限られていたので,明日以降も論議を継続することとした。
5.EALE(ヨーロッパ労働経済学会)について
 栗田幹事から,「同学会より役員選挙の投票について案内がきている。しかし,まだ事情がよく分からないので,今回は棄権することにしたい」との提案があり,異議なく承認された。
6.入会申し込みに関する件
 つぎの8人の方の申し込みを検討し,全員の入会を承認した。
氏 名      所 属          推 薦 者
井口  泰(関西学院大学経済学部)   池田 信,大前朔郎
伊東真理子(同朋大学社会福祉学部)   森田 劭,池田 信
黒田 慶子(立命館大学)        藤原壮介,黒田兼一
篠原 健一(同志社大学大学院)     辻村一郎,石田光男
清 晌一郎(関東学院大学経済学部)   大沢真理,野村正實
千田 忠男(同志社大学文学部)     辻村一郎,石田光男
田中 和雄(大阪市立大学商学部)    林 正樹,長谷川廣
野原 博淳(日仏会館)         下山房雄,高橋祐吉



第10回幹事会記録

【日 時】1995年5月27日(土)午後12時〜1時
【会 場】成城大学7号館
【出席者】相沢与一,荒又重雄,伊藤セツ,大沢真理,加藤祐治,菊池光造,工藤恒夫,熊沢誠,栗田健,佐口和郎,下山房雄,清山卓郎,高田一夫,高橋祐吉,竹中恵美子,戸塚秀夫,西村豁通,二村一夫,野村正實,浜岡政好,早川征一郎,美馬孝人,佐口卓

【報告事項】
1.第9回幹事会の討議事項と結果について
 1995年度予算案,叢書問題等に関する前日の審議経過について,代表幹事から報告があった。

【審議事項】
1.社会政策学会会則改訂案について
 代表幹事から,改訂案のポイントについて改めて次のような説明があった。
 ①名誉会員について一般的な文言による制限的規定をもうけた。②顧問制度については,昨日の幹事会で廃止することで一致した。③幹事の人数は従来の若干名を24人と明記した。④推薦幹事の選考方法も,先の改革論議で一致したところを会則に盛り込んだ。⑤監事は何時でも幹事会に出席できるが,決定には参加しないように改めた。⑥原稿会則では会費を3年分滞納すると自動的に自然退会することになっているが,これを幹事会で検討の上決定することに改めた。それに応じて,再入会の手続きも,3年分の納入でなく,自然退会前の未納分を全額納めた場合に限り認めることに改める。⑦会則改定手続きを改めた。⑧幹事の選出等に関する規程で,従来は地域ブロックの帰属を勤務先によることだけを決めていた。しかし,所属をもたない会員が増えているので,その場合は住所によることをつけ加えた。
 討議の結果,顧問制度の廃止は再確認された。未決定であった夫婦会員については,本人の意思で選択できるものであるので原案通りとした。その他の項目もほぼ原案通りで承認されたが,細部についてはなお,検討不十分な点があり,今後の幹事会で検討することとした。なお改定案は Newsletter に掲載して,会員の意見を聞き,秋の研究大会の際の臨時総会を開いて最終的に決定することが確認された。
2.第9回経済政策研連シンポジュムへの参加について
 加藤幹事から,95年12月1日(金曜)に開催予定の上記シンポジュム(テーマ:パラダイムの変換と経済社会政策)に,本学会から報告者とコメンテーターを各1人を出すようにしたいとの提案があり,承認された。しかし具体的な人選などについては明日の幹事会であらためて審議することとした。
3.経済学会連合評議員会について,高田一夫幹事から,国際会議派遣補助費の応募者を募集していること,国際経済学協会(International Economic Association)が東アジア経済発展の制度的基礎で円卓会議を開くことなどが報告された。
4.入会申し込み
 つぎの9人の方の申し込みを検討し,全員の入会を承認した。
氏 名     所 属           推 薦 者
井上 信宏(東京大学大学院)       佐口和郎,森 建資
上西 充子(東京大学大学院)       佐口和郎,森 建資
小沢 修司(京都府立大学女子短期大学部) 浜岡政好,伍賀一道
工藤 剛治(北海道大学大学院)      荒又重雄,鈴木良始
熊沢  透(東京大学大学院)       栗田 健,佐口和郎
野城 尚代(日本女子大学家政学部)    高木郁朗,堀越栄子
藤原 千沙(東京大学大学院)       佐口和郎,森 建資
山田 和代(筑波大学大学院)       本山貞一,田中洋子
渡邊 幸良(中央大学大学院)       島崎晴哉,工藤恒夫

第11回幹事会記録

【日 時】1995年5月28日(日曜)午後12時〜1時
【会 場】成城大学7号館
【出席者】荒又重雄(地方部会打合会に出席),石田光男,伊藤セツ,大沢真理(総括討論打合会に出席),加藤佑治,菊池光造,工藤恒夫,熊沢誠,栗田健,佐口和郎,下山房雄,清山卓郎,高田一夫,高橋祐吉(年報編集委員会に出席),竹中恵美子,戸塚秀夫,西村豁通(地方部会打合会に出席),二村一夫,野村正實(総括討論打合会に出席),浜岡政好,早川征一郎,美馬孝人(地方部会打合会に出席)。

【報 告】
1.96年春の大会開催校候補として,日本大学商学部と折衝が進んでいることが報告された。

【審議事項】
1.96年春の大会の共通論題について
 高田幹事から,「生活問題の現在」という共通論題で,その考え方と報告題目の案が提出(当日配布資料参照)され,それをめぐって議論が行われた。議論は,「生活問題の現在」という共通論題の理解をめぐって,また報告題目案についてもさまざまな意見が出された。最終的には,高田幹事が次回の幹事会以前に原案を文書で作成し,これを全幹事にあらかじめ配布して意見を求め,次回幹事会で決定することになった。
 なお,今回は自由論題分科会とは別の時間帯に3つのテーマ別分科会を開いたが,これは会員の間でも比較的好評であり,来年度の大会でもジェンダー分科会を含め3つ程度のテーマ別の分科会を開催すること,同時にテーマ別分科会の討論時間を延長することなどが確認された。
 また,分科会テーマを報告者とセットで公募することや,ペーパー・セッションの開催なども提案された。
2.会則改正問題
 細部について検討の時間がなくなったので,本部から再度手直しした改正案を配布し,各幹事の意見を求めることにした。
3.第9回経済政策研連シンポジウムへの参加について
 前日の議論を踏まえ,社会政策学会から報告者やコメンテーターを出すことを再確認し,人選については加藤幹事に一任することになった。〔その後,本学会からは,報告者として西村豁通会員を,コメンテーターとしては中西洋会員を推薦することになった。なお,西村会員の報告論題は「パラダイムの変換と現代社会政策」の予定である。〕
4.入会申し込みに関する件  つぎの2人の方の申し込みを検討し,ともに入会を承認した。
柚木 理子(お茶の水大学大学院) 戸塚秀夫,大沢真理
   寺中 直人(桃山学院大学 経済学部) 玉井金五,木下 順
5.次回の幹事会は7月22日13時半からとし,また秋の研究大会前日の10月20日(金曜)にも幹事会を開くことを決めた。



第12回幹事会記録

【日 時】 1995年7月22日(土曜)午後1時半〜4時半
【会 場】 法政大学大学院(92年館)4階会議室
【出席者】(敬称略)伊藤セツ,加藤佑治,工藤恒夫,栗田健,佐口和郎,高田一夫,高橋祐吉,二村一夫,早川征一郎, オブザーバー:永山利和(日本大学商学部)

【報告事項】

1.代表幹事から会の現況などについてつぎのような報告があった。
① 会員数(7月21日現在) 874人(うち名誉会員9人)他に,入会承認済みで会費未納5人。 逝去および退会各1人
② 会費納入状況(7月21日現在)95年度会費納入済 865人中610人(納入率 70.5%)
  95年度会費未納者 264人(他に,入会承認済みで会費未納5人)
 内訳  5年分    7人  2年分   56人
     4年分   11人  1年分  158人
     3年分   32人
[追記: なお,8月12日現在で,会員数は877人,うち会費納入義務ある会員は868人,95年度会費納入済み会員は642人(納入率 74.0%),未納会員は226人,入会承認済みで会費未納者は3人となった。]
 ③ 第89回研究大会開催費の残余金100,000円が佛教大学より本部会計に戻された。
 ④ Newsletter no.4 を発行した

2.栗田健国際交流小委員会委員長からヨーロッパ社会保障学会からダブリン大会について連絡があったことなどが報告された。

3.加藤幹事から,学術会議経済政策研連第9回シンポジュムについて報告があり,なるべく多くの会員が参加するよう要請することとした。内容はつぎのとおり。
日時    1995年12月1日(金)
場所   学術会議会議室
共通テーマ  「パラダイムの転換と経済社会政策」 報告者および討論者は8学会より各1人。
 このシンポジュムへ社会政策学会から参加する報告者および討論者はつぎのとおり。
報告者   西村豁通(同志社大学)
テーマ  「パラダイムの変換と現代社会政策」
討論者   中西洋(新潟大学)

【審議事項】
1.第92回大会共通論題に関する件
 高田幹事より,別紙資料のような提案があった。討論は,①人口変動という概念ではなく,むしろ社会変動ではないかということ,②人口変動ないし社会変動自体を共通論題として議論するのではなく,それらを底流におき,戦後社会保障システムの総決算の観点から整理してみたらどうか,③報告の候補者についてなど,多くの意見が出された。それらを含め高田幹事に具体案作成をすすめてもらうことになった。また,第90回大会の経験から,事前の報告者打合会を開く必要性などが指摘された。

2.第92回テーマ別分科会について
  テーマ別分科会として次の3つを設定することで一致した。
 ①ジェンダー分科会 テーマ「男女平等賃金──ジェンダーと階級」(伊藤幹事担当)
②労使関係分科会 テーマ「労働史」(佐口幹事担当)
③社会保障・社会福祉分科会 テーマ「大震災と社会政策」(担当者には,先の幹事会でこのテーマを提案された浜岡幹事に依頼することとし,その後浜岡氏の了承を得た)

3.第94回大会以降の共通論題に関する件
 1997年は旧学会の創立100周年にあたる。したがって,第94回大会の開催については早めに準備し,国際シンポジウムの開催なども考慮すべきであろうとの問題提起が代表幹事からあった。 
 共通論題としては,すでに佐口幹事から,①産業空洞化と地域社会,②アジアの労働と生活の2つが提起された。議論は,②に集中したが,次回幹事会で,佐口幹事から,より具体的な提案をしてもらうことになった。

4.会則改正の件
  先に第9回幹事会に提出した会則改正案を再度手直しした案が代表幹事から提案された。再訂正の理由は,前回の改正案は長年の間に,さまざまな理由でつくられた〈申し合わせ〉をすべて会則に盛り込もうとしたため,構成上もアンバランスで,内容的にも不適切なものが残されていた。この改正案について討議し,その結果を織り込んだ案をまとめて全幹事の意見を求め,その上で臨時大会前にニュースレターなどの形であらかじめ会員に配布し,10月20日の幹事会で最終案を決定し,秋の研究大会の際,臨時総会を開いて決定する方針が了承された。

5.会費値上げの件
 代表幹事から,96年度から会費を引き上げるには,研究大会における臨時総会で決めておく必要がある。問題は引き上げ幅で,1,000円にするか2,000円にするか決めなければならない。アンケート結果からすると,上げ幅はなるべく抑え1,000円程度にしたいと見解が出された。最終的には,次期本部校関係者とも相談の上,これも10月20日の幹事会で決めることになった。

6.入会申し込みに関する件
 つぎの入会申し込みが全員一致で了承された。
下平好博(明星大学), 推薦者:佐口和郎,森建資

7.文部省科学研究費審査委員候補者の推薦について
学術会議から文部省科学研究費の第1段と第2段の審査委員候補者の推薦を求めてきていることが報告され,具体的な人選は代表幹事に一任することになった。〔なお,氏名は公表しないことになっている。〕
                 以 上



第13回幹事会記録

【日 時】 1995年10月20日(金)午後2時〜5時半
【会 場】 金沢大学 法・経済学部第1会議室
【出席者】相沢与一,石田光男,伊藤セツ,加藤佑治,工藤恒夫,佐口和郎,下山房雄,高田一夫,高橋祐吉,竹中恵美子,戸塚秀夫,西村豁通,二村一夫,浜岡政好,早川征一郎,美馬孝人。 オブザーバー:永山利和・平澤克彦(次期大会会場校)     (五十音順,敬称略)
【報告事項】
1.会員数(10月16日現在)
 1)会の現勢 878人(うち名誉会員9人)他に,入会承認済みで会費未納1人。
前回以降での変化,本年度をもって退会との届け出1人,新入会4人
 2)会費納入状況(10月18日現在)
   95年度会費納入済  869人中 676人(納入率 77.8%)
   95年度会費未納者       194人(他に,入会承認済みで会費未納1人)
        内訳   5年分     7人  2年分  44人
             4年分    10人  1年分 109人
             3年分    24人
2.ニューズレターNo.5を,1995年8月15日付で発行した。
3.地方部会事務局の変更
  ☆ 中国・四国部会 吉備国際大学(宮田千蔵会員)より,高知大学(田中きよむ会員)に変更
  ☆ 東北部会 山形大学(小笠原浩一会員)より,東北学院大学(斎藤義博会員)に変更
4.その他
加藤祐治幹事(研究連絡委員会委員)より,日本学術会議経済政策研究連絡委員会主催の〈第8回シンポジゥム・パラダイムの転換と経済・社会政策〉(1995年12月1日,於;日本学術会議大会議室)のプログラムについて説明があった。社会政策学会としても宣伝することとした。

【審議事項】
1.会則改正案の決定
 ① 10月21日の臨時総会に提案する会則改正案について,これまでの討議経過をふまえ,最終案を決定するための討議がおこなわれた。結局,つぎの2点について,原案を修正することで一致した。
 a) 第12条の文言から「の諸要素」の4文字を削除し,表現を簡素化する。
 b) 第26条に,「分科会には会員以外の者を準会員として参加させることができる」との1項を追加する。
また,分科会の在り方,再編成についても討議されたが,これについては,さらに論議を続けることにした。
 ② 幹事の選出に関する規程案(別紙)
  別紙提案のとおり,了承された。なお,関西部会から,中部地方部会の新設について要望があったが,これが実現した場合でも,本規程第2条の地方ブロック別定員は,現在のままとし,選出単位,人数とも変更しないことを確認した。

2.会費値上げ案の決定
 原案の第4条に「同居の親族2人以上」とあるのを,「同一の世帯に2人以上」と改め,「親族」という表現は使わないことにした。

3.長期滞納者について
 5年分滞納者7人全員を,この際,退会したものとみなすことを確認した。4年分滞納者については,会にとどまる意思がないことが明らかな一人を退会とした。他の人々については,幹事が分担して,さらに納入方をお願いすることとした。

4.入会に関する件(受付順)
  つぎの8人の方の入会申し込みを承認した。
鈴木 春子 すずき・はるこ(労働科学研究所)        推薦者 栗田 明良,野沢 浩
大黒  聰 おおくろ・さとし(神奈川大学大学院)      推薦者 遠藤 公嗣,元島 邦夫
吉田  誠 よしだ・まこと (横浜市立大学商学部)      推薦者 岡 真人,小野塚知二
塚本  健 つかもと・たけし(流通経済大学経済学部)     推薦者 田多 英範,宝田 善
松田 亮三 まつだ・りょうぞう(奈良県立医科大学歯学部)  推薦者 横山 寿一,井上 英夫
深澤  敦 ふかさわ・あつし(立命館大学産業社会学部)   推薦者 深澤 和子,下山 房雄
孫田 良平 まごた・りょうへい(四天王寺国際仏教大学文学部)推薦者 池田 信,森田 劭

5.第92回大会に関する件
a) 共通論題と個別テーマ,報告者について
 高田一夫幹事からの提案を受けて討議がおこなわれた。討議の論点は,多岐にわたったが,共通論題テーマとして再提案された「21世紀の社会保障」については,21世紀への展望を描く場合でも「戦後50年の社会保障」を総括する視点を重視すべきであり,そのことを副題の形でもテーマに反映できないか,といった意見が出された。個別テーマについても,多くの意見が出された。たとえば,社会福祉をもっと広げ,介護なども含めて考えること,社会保障の財源問題や社会保障税制の問題の重要性,家族と社会保障の問題,社会保障諸制度間の関係など,である。
 結局,こうした要望を,事前の打ち合わせ会などで各報告者に伝え,できるだけ諸報告に反映されるようにすることにし,最終的には,コーデネーターに一任することが,改めて確認された。
b)テーマ別分科会について
 伊藤セツ幹事の提案を了承した。
佐口和郎幹事の提案については,事前に報告者間で議論をおこなってさらに具体化したいとの補足報告を含め,了承された。
 浜岡政好幹事より,阪神・淡路大震災に関連するテーマ別分科会について,つぎの2報告についての提案があり,了承された。 ①早川和男「住宅と震災」②二宮厚美「震災と福祉・まちずくり」。なお,自由論題報告として,真屋尚生「大震災と社会政策 ・・ 地震保険をめぐる社会性と保険性」(仮題)があるが,その取り扱いも含め,浜岡幹事に一任することを了承した。
c)自由論題
 応募者全員に報告をお願いすることにした。なお締切を早めたためか,応募者が少なかったので,各幹事が適任者を推薦することになった。

6.学会百周年記念事業について
 佐口和郎幹事の提案を受けたのち,議論は,戦前の社会政策学会と戦後の社会政策学会との関係なども含めて,議論が行われた。結局,1997年の第94回大会そのものを百周年記念事業として国際シンポジウムを開く案は,準備面や財政的にも無理があるので,取りやめと決定した。第94回大会は「アジアの労働と生活」(仮題)を共通論題として開催することとした。  
 なお,百周年記念事業は,第94回大会の一部としてとりあげるか,または秋の研究大会をそれにあてるか,あるいは別途に講演会などを開くかなど,今後の検討課題とすることになり,西村豁通幹事にその原案作成を依頼することになった。

7.その他
 次期以降の本部校の問題について論議が交わされた。戸塚秀夫幹事より,①本部校の範囲をなるべく広げること,②代表幹事は,同一人物が2度やらないようにする,③大会開催を行った直後の大学を本部校とするのは避ける,との提案があった。この提案のうち,①②については了承された。また①に関連して,これまで東京およびその周辺地域内で本部校を分担してきたが,今後は他地域にも拡大することが確認された。しかし,③については,これを原則とすることには異論があり,確認には至らなかった。



第14回幹事会記録

【日 時】 1995年10月21日(土)昼休み
【会 場】 金沢大学 法・経済学部第1会議室
【出席者】 相沢与一,荒又重雄,石田光男,伊藤セツ,加藤佑治,工藤恒夫,佐口和郎,下山房雄,高田一夫,高橋祐吉(年報編集委員会に出席),竹中恵美子,戸塚秀夫,西村豁通,二村一夫,浜岡政好,早川征一郎,牧野富夫,美馬孝人。 オブザーバー:永山利和(日本大学商学部) (以上,五十音順,敬称略)
【報告事項】
1.第13回幹事会審議経過および結果
2.文部省科学研究費審査委員候補者推薦の件
第12回幹事会で,代表幹事に一任された委員候補者の氏名が報告された。なお,氏名は非公開となっている。

【審議事項】
1.臨時総会の議長候補について  竹中恵美子会員を推薦することにした
2.分科会について
既存の分科会は本年度でいったん解散し,あらためて組織しなおすことで一致した。また,新たに分科会を設立するための手続きについて,つぎの点を承認した。
 ① 分科会の設立には,10人以上の会員の提案を必要とする。
 ② 提案のあった分科会については,その旨を全会員に周知したうえで,分科会への登録を希望する会員は,世話人まで届け出る。
 ③ 登録会員数が,最低30人から50人程度に達したものは,幹事会で検討の上,正式に分科会として承認する。
④ 分科会は,独自に会費を徴収し,これによって運営することを原則とするが,必要により一定額の補助金を支出する。
⑤ 分科会の会則は,各分科会で自主的に作成し,これを幹事会で承認する。
⑥ こうした新分科会の設立手続きについて,Newsletter で全会員に通知する。

3.地方部会
 各部会の規定は,部会ごとに自主的に作成し,幹事会で承認することとした。



第15回幹事会記録

【日 時】 1995年10月22日(日)昼休み
【会 場】 金沢大学 法・経済学部第1会議室
【出席者】 相沢与一,荒又重雄(地方部会打合会に出席),石田光男,伊藤セツ,加藤佑治(総括討論打合会に出席),菊池光造,栗田健,下山房雄(総括討論打合会に出席),高橋祐吉(年報編集委員会に出席),竹中恵美子,戸塚秀夫,西村豁通(地方部会打合会に出席),二村一夫,浜岡政好,早川征一郎,牧野富夫,美馬孝人。 オブザーバー:永山利和(日本大学商学部) (以上,五十音順,敬称略)

【審議事項】
1.高橋彦博会員から提案された第92回大会の分科会テーマの提案について審議した。高橋会員にコーデネーターを委嘱し,自由論題分科会のひとつとしてとりあげることを了承した。
2.入会者
 つぎの2人の方の入会申し込みを承認した。
 高城 信義 たかぎ・のぶよし (国際技術総合研究所) 推薦者 松崎義,山本潔
 藤岡 光夫 ふじおか・みつお (島根大学法文学部)  推薦者 福島利夫,木村隆之
3.一会員からの申し出について
 海外の出版社が刊行している日本関係研究書の広告リーフレットを,Newsletterなどを送る際に同封して貰えないかとの問い合わせがあった件について審議した。その結果,送料負担の問題もあり,また商業出版物の宣伝広告について学会として便宜をはかることは,先例となって,今後さまざまな問題がおこりうることが予想されるので,断ることとした。その代わり,申し出があれば,大会などの際に配布を認めても良いのではないかということになった。
                                             以 上



第16回幹事会記録

【日 時】 1996年3月8日(金曜)午後2時〜3時50分
【会 場】 法政大学80年館7F大会議室
【出席者】 伊藤セツ,工藤恒夫,栗田健,佐口和郎,高橋祐吉,竹中恵美子,西村豁通,二村一夫,早川征一郎。
【議長】 二村一夫

【報告事項】
代表幹事から,会勢についてつぎのような報告があった。
1.会員数(1996年3月6日現在) 877人(うち名誉会員9人),ほかに入会承認済みで会費未納1人。
前回以降 退会者 12人,新入会10人
 1)退会者内訳
   会費未納による退会    8人
  10月26日逝去  高橋 洸(明治大学)
  11月14日逝去  高橋 武(神田外語大学)
   岩森 龍夫(東京電機大学)11月15日付で退会届提出
   八町 憲一 93年中に退会届を提出されていた旨連絡あり
 2)会費納入状況(3月5日現在)
  95年度会費納入済 868人中750人(納入率 86.4%)
  95年度会費未納者 118人(他に,入会承認済みで会費未納1人)
      内訳 4年分  8人
         3年分 17人
         2年分 30人
         1年分 63人
 ほかに,退会者で本年度会費納入者   6人
 本年度納入された会費総額   6,226,000円
2.ニューズレターNo.6 を 95年12月12日付けで発行した
3.第92回大会の自由論題分科会について
1月6日付の幹事会延期通知に同封した原案に異論がなかったので,その通り決定し,報告希望者に通知した。

【審議事項】
1.次期以降の諸人事について
 ① 本部校について
 代表幹事から,次期本部校については,あらためて一橋大学にお願いして内諾を得たことが報告され,これを了承した。
 ② 年報編集委員長および年報編集委員の選出について
 上井喜彦会員(埼玉大学)は本来,今期の年報編集委員長を予定されていたが,留学のため高橋祐吉幹事に交代した経緯がある。そうした点を考慮し,次期の編集委員長を上井会員に委嘱することに決定した。
 また,本部校からの編集委員のほかに,今期で交代となる年報編集委員が3人おられる。その後任については,次回の幹事会で決定することとした。なお,その候補者は,退任される編集委員が属する地域,すなわち九州および中・四国,関西,関東の各部会から選考することとし,高橋祐吉委員長が,現編集委員および各部会と相談の上,原案を作成し提案することとなった。
 ③ 業績リスト作成委員会事務局
 工藤恒夫会員(中央大学経済学部)にもう1年だけお願いする。ただし,その次の年度は,工藤会員が留学の予定があるので,かならず引き継ぎ先を決める必要があることを確認した。
 ④ 英文年報編集委員の交代
 現在の委員である,高田一夫編集委員と相談の上で,次回以降の幹事会にはかる。
 ⑤ その他
 学会賞選考委員および国際交流委員会についても,その構成や任期の問題などについても検討を要する点があることなどが論議された。ただ,いずれの委員も,最終的には次期幹事会で選出されるべき問題であるので,次期幹事会に引き継ぐこととした。

2. 1996年度予算作成方針について
 1996年度予算案について,次の幹事会で具体的な検討をおこなう前に,その原案作成にあたり留意すべき問題点について意見を交わし,つぎのような意見が出された。
 ① 今回の予算編成では,会費の増額分をどのように配分するかが問題となるが,増額分をすべて支出増に回すのでなく,つぎの増額の時期をできるだけ後に延ばせるような考慮を払う必要がある。
 ② 一定額を渡し切りにする費目は,支出の実態とは無関係に増え続け,年を追うごとに予算の膨張を招く恐れがあるので避け,実際に支出された分を補填する形が望ましい。新設される分科会の補助についても,渡し切りにせず,実際の活動に使った額を援助する形にすべきであろう。
 ③ 学会活動を活発にするような予算配分を考える。具体的には,大会の共通論題については,あらかじめ報告者による打ち合わせの会合が開けるよう,交通費を支給することを検討する。また,年報編集委員会なども,現在は大会時だけに開いているが,日常的に活動できるようにし,そのために必要な経費は出すようにする。
 ④「『叢書』刊行補助費」については,先に増額の希望も出されており,検討の要がある。ただし,無条件に増額するのでなく,補助費を出すからには,学会としても編集委員会や出版社に希望を述べ,これを受け入れてもらいたい。具体的には,現在の『叢書』の定価は高すぎるので,ペ―ジ数を『年報』なみに減らすなどして低く抑えてほしい。また,学会員が補助費支出を納得できるような,大幅な割引率を適用するようにしてもらいたい,などである。
 ⑤「大会報告要旨集」は今後も作成することで,ほぼ意見の一致をみた。なお,金額については,今年度予算の場合は,本部校の無償労働で低く抑えた経緯があるので,今後は若干は増やさざるを得ないであろう。
  以上の議論を参考に,本部で予算案を作成し,事前に全幹事に配布してあらかじめ意見を求める。その上で,大会前日の幹事会において最終案を決定することになった。

3. 分科会の再組織について
 代表幹事から,Newsletter No.6に,新たに分科会設立を希望されれる会員は,3月11日までに本部に連絡されるよう公告したが,まだどなたからも提案がない旨報告があった。出席の幹事の間から,社会福祉分科会,社会保障分科会,労働史分科会などについて,設立希望あるいは設立へ向けた動きがあることなどが報告された。なお,幹事会後にジェンダー分科会について,設立希望があることが本部に伝えられた。

4.入会申し込みに関する件
 樋口隆正(東大大学院経済学研究科博士課程)  推薦者 加藤佑治,藤田 実
 神谷隆之(日本労働研究機構研究員)      推薦者 井口 泰,池田 信
 金 哲煕(九州大学大学院経済学研究科博士課程)推薦者 下山房雄,遠藤雄二
 以上,3人の入会申し込みを承認した。
なお,もう一人の入会希望者は,その所属および職名(労働組合の現職の中央執行委員)では,これまで学会が入会を認めてこなかった事例である。ただ,先の金沢大学における会則改正の論議においても,入会基準の再検討が問題となったことでもあり,そうした意図をもって推薦者が推薦されたのであれば,多数の幹事が出席される場で論議する必要があろう。したがって,今回は保留とし,推薦者にこの経緯を知らせて,入会基準の再検討を要望しておられるのか,あるいは,研究者としての立場で加入を求めておられるのであれば,その点を改めて再度申し込まれるよう伝えることにした。

5.アジア社会福祉学会について
 学術会議社会福祉社会保障研究連絡委員会から呼びかけのあったアジア社会福祉学会に,社会政策学会も参加することを決定した。社会政策学会からの準備委員としては,工藤恒夫幹事にお願いすることになった。

6.その他
 (1)日本家政学会との交流について
 伊藤セツ幹事から,日本家政学会では,関連する諸学会との交流の希望をもっている。伊藤幹事は同学会の理事でもあり,社会政策学会をその交流の対象に挙げたいと考えているが,異論はないかが問われた。これについては,異議なく了承された。
 (2)代表幹事から,経済学会連合より平成8年度の「外国人学者招聘滞日補助」「国際会議派遣補助」「学会会合費補助」の申請について連絡がきた。すでに第一次の締切は過ぎてしまったが,第二次の申し込みは6月20日なので,まだ間に合う。希望者は本部に連絡願いたいと伝えられた。
 (3)栗田国際交流委員長から,国際労働経済学会より大会の案内が来ていることが伝えられ,短い期間で会員にどのように周知すべきかが,問題として提起された。論議の結果,今後は,参加希望のある会員をあらかじめ登録することなども検討し,Newsletterで知らせることとした。
以上



第17回幹事会記録

【日 時】 1996年5月17日(金曜)午後2時〜5時
【会 場】 日本大学商学部本館3F大会議室
【出席者】 相沢与一,伊藤セツ,大沢真理,加藤佑治,熊沢誠,栗田健,下山房雄,高田一夫,西村豁通,二村一夫,浜岡政好,早川征一郎。 オブザーバー:永山利和,平澤克彦(日本大学商学部)。

【報告事項】
1.会員数(1996年5月15日現在)867人(うち名誉会員9人,65歳以上会員191人・22.0%)
 前回以降 退会者 13人,新入会 3人
 1)退会者内訳
   退会届提出者…… 高梨昌,佐野陽子,片上明,朝倉新太郎,松島静雄,松坂兵三郎,保坂哲哉,南野満寿夫,山本克郎,西岡孝男,北村伊太郎(11人)。
   1月25日逝去 伊東岱吉(慶應義塾大学)
   4月24日逝去 森田桐郎(文教大学) (2人)
 2) 1995年度会費納入状況(5月5日現在)
    95年度会費納入済 868人中750人(納入率 86.4%)
    95年度会費未納者 118人(他に,入会承認済みで会費未納1人)
        内訳 4年分  8人  2年分 30人
           3年分 17人  1年分 63人
            
2.1995年度決算報告について(別紙参照)

3.ニューズレターNo.7 を 95年 5月 8日付けで発行した

4.年報編集委員会について
次年度以降の年報編集委員会の構成が次のように決まった。
 1) 任期2年(1998年春の総会まで)の委員 上井喜彦(委員長・埼玉大学),伍賀一道(金沢大学),町井輝久(北海道大学),森ます美(昭和女子大学),次期本部校(一橋大学)から派遣の委員。
  2) 任期4年(2000年春の総会まで)の委員 阿部 誠(大分大学),黒田兼一(明治大学),玉井金五(大阪市立大学)。

【審議事項】
1. 96年度予算案の決定(別紙案参照)
 検討の結果,当初案より大会打合会交通費を10万円増額して15万円とし,その分予備費50万円を40万円とすること,また分科会補助費を30万円に増額することとした。

2. 名誉会員の選考基準および推薦に関する件(別紙参照)
 代表幹事から,つぎのような問題提起があった。
 名誉会員の推薦基準については,新会則で「多年にわたり社会政策学の発展に貢献した会員を,名誉会員とすることができる。名誉会員は,会員歴30年以上で75歳以上の会員のなかから代表幹事の推薦により,幹事会が推挙する」と決めている。ただ,これまで名誉会員の選考にあたっては,有資格者全員をリストアップして検討されたことがなかったので,バランスを欠くところがないとはいえない。とくに,長年,優れた業績をあげ,学会でも報告者や幹事として活動してこられた方が,老齢や病気のため大会に出席できないなどの事情から,会費滞納で〈自然退会〉となった事例があるが,こうしたことは学会にとって大きなマイナスである。名誉会員の増加にともなう財政面での負担は,現在の予算規模からするとそれほど大きなものではなく,寄付金募集など別途解決策も考えうる。その意味で,これまでより,若干〈緩やかな〉基準で運用すべきではないか。
 これを受けて,論議の結果,〈緩やかな〉適用基準をとることについては意見が一致した。具体的な人選については,次回にもちこした。

 3. 分科会の再組織に関する件
分科会の再組織については,必要な条件をみたしたものについては,総会の際に〈呼びかけ〉の時間を設けることで一致した。

 4. 入会申し込みに関する件
  つぎの8人の方からの入会申し込みを承認した。
 濱本知寿香(家計経済研究所)    推薦者 色川卓男、馬場康彦
 永井 暁子(家計経済研究所)    推薦者 色川卓男、重川純子
 宮本 太郎(立命館大学政策科学部) 推薦者 熊沢誠、 伊藤正純
 高田  聡(小樽商科大学商学部)  推薦者 佐口和郎、木下  順
 斎藤  力(労働運動総合研究所)  推薦者 加藤佑治、小越洋之助
 杉橋やよい(法政大学大学院博士課程)推薦者 早川征一郎、伊藤 陽一
 西村  智(関西学院大学大学院)  推薦者 池田信、井口泰
 斎藤 悦子(青山学院女子短期大学) 推薦者 伊藤セツ、森ます美

5. その他
  a) 総会の議長には,加藤佑治会員を推薦することにした。
  b) 選挙管理委員については,伊藤セツ会員を選挙管理委員長とし,委員は明日の出席者のなかから地域ごとに,各幹事が分担して依頼することとした。
  c) 分科会の座長については,候補者をあげ,分担して依頼することとした。
  d) 学術会議シンポジウムの件(別紙参照)
   加藤幹事から,11月29日に予定されている学術会議シンポジウム「パラダイムの変換と経済社会政策(2)」
について案内があり,了承された。
  e) 学会100周年記念事業について
   西村幹事から,来年秋,同志社大学において開催する第95回研究大会を学会100周年記念の趣旨をこめた大会として開催することが報告された。

6. 各種役員の交代……次期幹事会へ引き継ぐ
  a) 学術会議経済政策研究連絡委員会委員(現在は加藤佑治会員)の交代
  b) 英文年報委員(現在は高田一夫会員)
  c) 学会賞選考委員会(現在は,栗田健,加藤佑治,竹中恵美子,西村豁通の各会員)
  d) 国際交流委員(現在は栗田健,高田一夫,二村一夫の各会員)

7. 第2回学会賞について
  栗田選考委員会委員長より,選考経過および結果について報告があった。
授賞作品は次の通り。
学術賞 岩田 正美『戦後社会福祉の展開と大都市最底辺』(ミネルヴァ書房刊行)
奨励賞 木本喜美子『家族・ジェンダー・企業社会』(ミネルヴァ書房刊行)
奨励賞 白木 三秀『日本企業の国際人的資源管理』(日本労働研究機構刊行)
                         以上



第18回幹事会記録

【日 時】 1996年5月18日(土)昼休み
【会 場】 日本大学商学部本館3F大会議室
【出席者】 相沢与一,伊藤セツ,大沢真理,加藤佑治,工藤恒夫,熊沢誠,栗田健,佐口和郎,下山房雄,清山卓郎,高田一夫,高橋祐吉,戸塚秀夫,西村豁通,二村一夫,野村正實,早川征一郎,牧野富夫,美馬孝人,佐口卓。 オブザーバー:永山利和(日本大学商学部)
【議長】 二村一夫

【報告事項】
 前日の第17回幹事会での報告事項,議題とされた審議事項の内容とあらましが,代表幹事から報告された。

【審議事項】
1.名誉会員の推薦について
 名誉会員の推薦基準について,代表幹事から前日同様の説明がおこなわれ,これを受けて,社会政策学研究への貢献度などについて,さらに議論が行われた。そのうえで,各幹事からの推薦がおこなわれ,最終的に8人の名があがった。その全員についてただちに推挙することを適当とする意見が多かったが,一部に慎重論があり,結局,次期幹事会に決定を持ち越すことになった。ただし,従来より緩やかな基準で運用することについては一致して確認した。

2.入会申し込みについて
 つぎの6人の方からの入会申し込みを承認した。
 岡部  卓(東京都立大学人文学部)    推薦者 岩田正美、木本喜美子
 山本 克也(早稲田大学大学院)     推薦者 安藤哲吉、清水英彦
 羅  仁淑(早稲田大学大学院)     推薦者 安藤哲吉、清水英彦
 加藤 和子(横浜市立大学看護短期大学部)推薦者 戸塚秀夫、上井喜彦
 荒谷 幸江(国際労働研究センター)   推薦者 戸塚秀夫、上井喜彦
 中澤 秀一(中央大学大学院)      推薦者 清山卓郎、工藤恒夫
 なお,この他,入会申込者のなかに現職の組合役員がおられた。この件については,推薦者の一人である戸塚幹事から,組合役職者であっても,同時に研究者でもある社会人については,門戸を開くべきではないか,その点,検討してほしい旨の発言があった。ただ,当日は議論する時間的余裕がなかったため,次期幹事会に引き継ぐことになった。

3.アジア社会福祉学会について
 工藤幹事から,次のような報告があった。アジア社会福祉学会の準備会から,アンケートや準備会への参加要請があり,準備委員の選出について結構だという返事を出したこと,明日開かれる第2回準備委員会へ工藤幹事が出席の予定であること,11月11日のアジア社会福祉学会の設立に際し,後援団体となることを承知したこと,その他,今後の問題などについて,報告があった。

4.分科会について
 午後の総会で,ジェンダー,労働史の分科会について,案内することが確認された。(なお,総会では,そのほかに社会保障分科会の案内も行われた)。 

以 上








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