日 時 1998年6月月6日(土)・7日(日)(予定:まだ最終決定ではありません)
会 場 日本大学経済学部(東京都千代田区神田三崎町)
共通論題 日雇労働者・ホームレスと現代日本(仮題)
【趣旨】
今年春の第94回大会で「日雇労働者とホームレス」の分科会を開催した。分科会では実態調査に基づいた報告(東京、名古屋、大阪)をもとに、できるだけ現状の正確な把握に努めた。分科会では、今三つの地域がどのような状況に置かれているかが明らかになったし、その異同も浮かび上がった。結果として、問題の重要性が十分認識できたと思う。
では、今後いかなる施策を打ち出すべきかということが問われるし、また新たに発生しつつある課題への解答が求められるのはいうまでもない。たとえば、最近ホームレスの生活保護をめぐって名古屋地裁の判決が出た。それはこれまでの生活保護行政のあり方の是非を問う重大な契機となるのは必至である。また、日雇労働市場への外国人の参入も大きな問題を引き起こしつつある。とくに、中高年日雇労働者との競合が表面化してきているのはそのひとつである。
そこで、今年の分科会を拡大・発展させる形で第96回大会の共通論題「日雇労働者・ホームレスと現代日本」を組むことになった。本大会では、分科会での議論を踏まえて、もう少し大きな視点から本課題に接近してみたいと考えている。
つまり、やや総括的な言い方になるが、日本の高度成長を担った労働者が今どのような境遇に置かれようとしているのか、当時構築されつつあった社会制度に包摂しきれなかったことが現在いかなる形で発現してきているのか等々。これらに対する社会政策的な回答を与えずして戦後の総決算はできないであろう。
幸い、今年春の大会は「アジアの労働と生活」が共通論題として組まれた。アジアのトップランナーとしての日本の労働者の不安定層がどのように変容してきたのか、またアジアの労働市場とのかかわりでみるといかなる構図が浮かび上がるのか、さらには視野を広げて欧米の状況との比較からするとどのような特質が摘出できるのか、といった点においてもテーマ上かなり連続性を有すると思われる。
1 報告者等について
コーディネーター 玉井金五(大阪市立大)
座 長 庄谷怜子(神戸女子大)
取り上げるべきテーマと報告予定者
1)課題と方法 岩田 正美(東京都立大
2)日雇労働者の高齢化と労働市場 中山 徹(大阪府立大)
福原 宏幸(大阪市立大)
3)建設労働と日雇労働者・ホームレス 椎名 恒(北海道大)
4)ホームレスと生活保護行政 吉村 臨兵(釧路公立大)
5)外国人労働者の流入と日本の不安定層 井口 泰(関西学院大)
6)欧米の状況との比較 都留 民子(広島女子大)
社会政策学会第97回大会
日 時 1998年10月24日(土)・25日(日)
会 場 岐阜経済大学