社会政策学会誌査読指針





 .査読実施の目的
社会政策学会誌編集委員会規程の5.に定める査読は、論文に対する評価を客観的に行い、コメントや修正を通じて研究水準を高める目的で実施されるものである。したがって、査読専門委員には、査読にあたり誠実かつ教育的な姿勢が求められている。また、査読は、投稿者と査読専門委員との間で直接的に学術論争を行うためのものではなく、学会誌に掲載された論文を基に学会員全体での議論が活性化していくことを期する目的で行われるものである。

複数査読の原則
  査読は、1本の対象論文につき、必ず複数の査読専門委員によって匿名で実施されるものとする。

.審査報告書の構成
(1)査読の結果を編集委員会に報告するための審査報告書は次の3種類から成る。
@「項目別評価報告書」(以下の4.)
 事前に設定された共通評価項目についての評価の記載されたもの
A「記述報告書」(以下の5.)
査読専門委員のコメントの記載されたもの
B「掲載評価報告書」(以下の6.)
 審査した論文の掲載可否についての評価の記載されたもの
  (2)審査報告書は、査読専門委員名を匿名とした上で、投稿者に開示されることに留意して作成すること。

 .項目別評価報告書
(1)評価項目
<内容面>
@明確な研究目的
論文に研究目的が明確に述べられているか確認する。
A研究目的に適合した研究方法
研究目的を達成するのに適切な研究方法が用いられているか、またそれが明記されているかを確認する。
B先行研究の十分な検討
投稿された論文のテーマに関して、適切かつ十分な数の先行研究がレビューされているかを確認する。
C論理の一貫性
論文を通じて一貫した論理展開になっているか確認する。
D結論の妥当性
論文で検討された内容に則して妥当な結論が導き出されているか、また、それが明確に示されているかを確認する。
<学術面>
E新しい知見の存在
先行研究と比較して、「新たな知見」が見出されているか、また、それが明記されているかを確認する。ただし、研究ノートについては、仮説としての萌芽性・独創性に焦点をあてることとする。
<形式面>
F執筆要領との整合性
         執筆要領で指示された字数制限、形式の表記などが守られているか確認する。
G表現の明確性・妥当性
文章上の表現や用語の用い方は適切か確認する。
H表題(タイトル)の適切性
論文のタイトルが論文の内容に適切なものか確認する。
I研究倫理上の問題・人権等への配慮
調査対象者・協力者からの合意、プライバシーの侵害、個人情報の保護、名誉毀損などに関して問題がないか確認する。
J引用の適切性・引用文献等の明記
先行研究について適切な方法で引用・参照が行われているか確認する。
(2)評価方法
 上記項目について、A(適切)、B(修正・明確化の必要あり)、C(不適切)のいずれかの評価を行う

 .記述報告書(コメント)
(1)記述項目
@総評・掲載評価に関する理由
論文全体としての評価すべき点や問題点について述べる。 A修正意見
問題のある箇所およびそれをどのように修正すべきかを具体的に指摘する。
(2) 評価方法
上記項目について、記述の方法による。

 .掲載評価報告書
4段階による評価を行う
A : 学術的に優れており、掲載を可とする。
B-1: 小幅な手直しが必要であり、指摘した箇所が修正されれば、再査読を経ずにそのまま掲載可とする。
B-2:大幅な手直しが必要であり、再査読を経て改善が確認されれば掲載可とする。再査読においてさらに改善のための修正を求めることがある。
C : 掲載不可とする。

 .審査結果と掲載決定
(1)評価の取り扱い
複数の査読専門委員から提出された「掲載評価報告書」の評価は次のように取り扱うこととする。
@ 複数の評価が一致している場合
   一致した評価にそって掲載の可否ないし再査読の実施を決定するものとする
A 評価の相違が、Cを含まない1段階である場合
    下位の評価を優先させるものとする。下位の評価がB-2の場合には、その評価を付した査読専門委員による再査読を実施するものとする
B 評価の相違が、Cを含む1段階である場合
    編集委員会による第三査読を実施し、その評価に基づき掲載不可または再査読の実施を決定するものとする
C 評価の相違が2段階以上である場合
      編集委員会による第三査読を実施し、次項(2)の原則に則り、掲載の可否または再査読の実施を決定するものとする
(2)編集委員会による再査読の結果の取り扱い
@ 編集委員会は、前項(1)のCの規定に基づき第三査読を実施する場合、その「評価記載報告書」において、査読専門委員の付した評価を下回る評価を付すことはできない。
A 前号@の第三査読による評価が、査読専門委員が付した複数の評価の中間の段階となった場合、3つの評価の中から上位2つの評価の結果に基づき、掲載の可否または再査読の実施を決定するものとする。この場合の再査読の実施については、B-2評価を付した査読専門委員または編集委員が担当するものとする

 .再査読による評価
(1) 再査読においては、初回査読時に付されたコメントの趣旨と内容にそって改善の確認を行うものとする。
(2) 再査読の結果、初回査読時に付されたコメントに対する改善が不十分である場合には、再査読者がそれを求める場合に限り、再々の修正ならびに査読まで実施することができる

 .論文修正の期間
 査読専門委員ないし第三査読の編集委員によって論文修正の評価が行われた場合、編集委員会は論文修正・再提出までの期限を投稿者に明示しなければならない。投稿者は、指定された期限までに、論文の修正を行い再提出しなければならない。
付則
1.本指針は、2008年8月7日より施行する。
2.投稿論文の受領から掲載までの手続きは、学会誌編集委員会が別途定める社会政策学会誌投稿受領から掲載までの流れに従うこととする。


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