社会政策学会交流欄






【研究会案内】

20世紀生産システムへのオルターナティブ
労働の人間化と生産効率の二律背反を超えて

(浅生卯一会員より)



 2月下旬から3月中旬にかけて、ボルボ・ウッデバラ工場の生産システムの確立に深く関わったスウェ−デンの研究者が来日します。この機会に、下記の要領で研究会(20世紀生産システムへのオルターナティブ:労働の人間化と生産効率の二律背反を超えて)を開催いたします。
 日本では、ウッデバラ工場の生産システムの特徴(レイアウトや作業チームの編成等)は、すでに広く知られているといってよいでしょう。しかし、どのようにして2時間以上にもおよぶ長いサイクル・タイムの組立作業を効率的に行うことができるのかという、いわばソフト面での立ち入った分析と紹介は十分になされてこなかったように思われます。
今回来日する研究者達は、長いサイクル・タイムの作業で自動車を効率的に組み立てるには、短いサイクル・タイムの作業の場合とは異なる新しい情報設計や学習戦略を開発・採用することが決定的に重要であると主張しています。
 日本でも1990年代に入り、伝統的なベルト・コンベアを撤去して比較的少人数の作業者で製品を組み立てる方式が広がりつつあります。スウェ−デンの研究者達が提起する製品に関する情報設計の組み替えとそれにもとづく組立作業の再編成や新しい学習戦略による作業者訓練は、日本の組立産業における作業の改善にとっても原理的に問題を再考するう
えで有益な手がかりを提供していると思われます。多くの方のご参加をお待ちしています。



日 時:2002年3月3日(日)、10時〜17時

場 所:中京大学・八事学舎・会議棟・中会議室

         (名古屋市昭和区八事本町101-2、地下鉄八事駅下車すぐ)

報告者:
★ トーマス・エングストローム/ラルス・メドボ(チャルマーズ工科大学物流学部)
  「製品情報の組み替えと変換による組立作業の再編成」
   -Assembly Work Structuring Based on Restructuring and Transformation of Product Information (Tomas Engström/ Lars Medbo)
★ レナルト・ニルソン(ヨーテボリ大学教育学部)
  「組立作業のオルターナティブとその学習戦略」
   -Alternative for Assembly Work and Learning Strategies in order to Support Competence for a New Work Situation (Lennart Nilsson)
★ カール・ヴェンストローム(チャルマーズ工科大学物流学部)
  「サプライ・チェーンと資材の計画・管理」
   -Material Planning and Control in a Supply Chain Perspective(Carl Wänström)

主 催:生産・労働・組織研究会(浅生卯一、猿田正機、野原光、藤田栄史)

*どなたでも参加できます。準備の都合上、参加を希望される方は、下記までお知らせください。

【連絡・問い合わせ先】
中京大学経営学部 猿田正機
勤務先:052-832-2151(代表)、自宅:05613-8-3732
E-mail:MASAKISARUTA@aol.com



*参考文献(最近の翻訳文献)
 ・トーマス・エングストローム、ダン・ヨンソン、ラルス・メドボ/藤田栄史・浅生卯一・池田綾子・野原光訳「製品に関する情報の組み替え・変換と組立作業の再編成ーボルボ・ウッデバラ工場の経験に照らしてー」『人文社会学部研究紀要』第12号、名古屋市立大学人文社会学部、2002年3月刊行予定
 ・レナルト・ニルソン/野原光訳「組立労働のオルターナティブとその学習戦略ーボルボ・ウデヴァラ工場の経験とそれを支えた学習理論」『労働法律旬報』No.510、1512、1514、1516、
 ・カエサ・エルゴード/猿田正機・猿田淑子訳「新しい生産システムの創造ースウェ−デンのボルボ・ウデバラ自動車組立工場ー」『中京経営研究』第10巻第1号、2000年

*報告と議論は主に英語で行われ、それぞれ45分+45分の計90分で予定しています。


〔2002年2月17日報知〕



Wallpaper Design ©壁紙職人        先頭へ       ホームページへ