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専門部会「社会的排除/包摂部会」が設立されました。

 

2012年09月06日

社会政策学会会員各位
2012年7月

 近年、貧困とともに社会的な孤立やつながりの欠如など、社会的排除が大きな問題として取り上げられるようになってきました。この解決に向け、NPOや社会的企業など、市民の側からさまざまな支援の活動が広がりつつあります。また、日本政府も、この問題に向き合い新たな政策の検討を開始しています。もちろん、こうした動きは、日本だけでなく多くの国においても取り組まれてきています。社会政策を研究する者においては、貧困と社会的排除の問題を調査研究するとともに、的確な政策提言していくことが問われております。このような状況を踏まえて、ここに社会的排除/包摂部会を設立することといたしました。

 この専門部会設立にあたって、数か月前から準備会を立ち上げ、学会会則にのっとり準備を進めてまいりました。そして、去る7月8日に開催された社会政策学会幹事会において、「社会的排除/包摂部会」の設立が承認されました。このことを受け、この専門部会への参加者を募りたいと思います。多くの学会会員の皆さま方がご参加くださいますよう、お願い申し上げます。なお、設立にあたって、次のような設立主旨と活動計画を策定いたしました。ご参照ください。

設立主旨

 1990年代以降、日本では経済社会の構造変化の中で、これまでの社会政策では対応することのできない新たな社会的リスクが登場し、それは深刻さを増してきた。ワーキングプア、ニートや引きこもりの若者、母子世帯、中高齢の長期失業者や無年金者、ホームレス生活者、高齢者の孤独死、自殺者の増加などといった問題である。そこには、貧困、地域や職場、家庭での「つながり」の希薄化、既存の社会政策では対応できないさまざまな困窮が存在している。こうした問題を社会的排除として理解し、その克服の道を社会的包摂として捉えることに、今日多くの支持が得られているだろう。

 しかし、欧州諸国の例を取り上げるまでもなく、そこにはいくつかの道筋があり、日本ではどのような道を切りひらいていくのかが大きな争点となっている。また、社会的排除/包摂は、こうした政策論議の領域にとどまらず、就労支援や社会的企業、地域福祉の在り方、当事者に対する伴走型支援といったきわめて実践的な領域にまで及び、議論と研究を深めることが求められている。すなわち、今日、社会政策のさまざまな領域での制度、そして支援・援助の手法の見直しが求められ、社会的包摂の道を模索し実現していくことが喫緊の課題となっている。本専門部会は、こうした課題について議論と研究を深めていくための組織として、ここに設立をはかるものである。

活動計画

春季および秋季の社会政策学会大会において、分科会を企画・主催する。

また、これと別に、年一度の専門部会の研究会を開催する。

社会的排除/包摂部会 事務局    

阿部 誠(大分大学)・石井まこと(大分大学)
垣田裕介(大分大学)・中山 徹 (大阪府立大学)
福原宏幸(大阪市立大学) 

連絡先 福原宏幸(大阪市立大学)    
E-mail fukuhara [at] econ.osaka-cu.ac.jp
※ [at] を@に書きかえてください。