社会政策学会本部からのお知らせ


《第104回大会概要》


 2002年春に開催される第104回大会の概要が以下のように決まりましたのでお知らせいたします。

1.開催日:2002年5月25日(土)〜26日(日)
 第一日目―共通論題「雇用関係の変貌:雇用形態の多様化と時間管理の変化」
 第二日目―テーマ別分科会・自由論題
  (*第一日目、第二日目の日程構成が従来とは逆転していますので、ご注意下さい。)

2.開催場所:日本女子大学目白キャンパス

3.104回大会共通論題構成案
(1)論題――「雇用関係の変貌:雇用形態の多様化と時間管理の変化」
(2)趣旨――「80年代以降先進国ではパート労働や派遣労働といった様々な非正規雇用が雇用労働の中で比重を高めてきた。それは、経営者による雇用の柔軟性追求の結果であるとともに、行政の雇用政策や労働供給側の雇用形態選好の結果でもあった。したがって非正規雇用の増大は、企業の労務政策、労働政策、家計の労働供給行動を大きく変えることとなり、正規労働者を前提にうち立てられていた企業構造、社会政策、家計の生涯生活設計といったこれまでの社会の枠組みを大きく変えつつある。
 企業は非正規雇用の比率を増大させる一方、正規雇用にある社員の仕事の形態を変えてきている。フレックス・タイムから始まり、成果主義、裁量労働制といった最近のホワイトカラー労働の変化は時間管理が後退して、雇用労働の中での請負的要素が拡大していることを示している。そして定型的労働はパート労働に委ね、非定形的な判断業務、企画業務は正社員の裁量労働で行うという企業の動きは、非正規雇用と裁量労働制の導入などが、相互に関連を持った動きであることを良く示している。
 本学会は、102回大会において「経済格差と社会変動」を共通論題として、現在日本社会で起きている変化に注目してきたが、今回取り上げる雇用関係の変貌は経済格差問題の背後にある仕事のあり方の変化に注目し、その変化がはらんでいる問題を取り出し、それへの対応を考えることを目的としている。」
(3)座長候補者――佐口和郎(東京大学)
(4)報告者
脇坂 明(学習院大学):女性労働
中野麻美(弁護士):労働法、派遣労働
佐藤 厚(日本労働研究機構):ホワイトカラー労働、裁量労働
森 建資(東京大学):雇用関係
(文責 森 建資)




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